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マドリーの「ベリンガム・システム」を考察。思い起こすアンチェロッティのクリスマスツリーシステム。

森田泰史スポーツライター
得点を喜ぶチュアメニとベリンガム(写真:ロイター/アフロ)

スタートダッシュを成功させることができそうだ。

レアル・マドリーはリーガエスパニョーラ開幕節でアトレティック・クルブと対戦。敵地サン・マメスでの一戦を2−0で制して、ファーストゲームを勝利で飾っている。

■新戦力ベリンガムの適応

この試合で躍動したのが、新加入のジュード・ベリンガムだ。

ベリンガムはこの夏、移籍金固定額1億300万ユーロ(約160億円)でマドリーに移籍。ボルシア・ドルトムントに別れを告げ、新天地を求めた。

「ジュードは、これまで見てきた18歳の選手のなかで、最も成熟した選手だった」とはドルトムント時代の同僚マッツ・フンメルスの言葉である。

開幕節でアトレティックに勝利したマドリー
開幕節でアトレティックに勝利したマドリー写真:ロイター/アフロ

カルロ・アンチェロッティ監督はプレシーズンでベリンガムを適応させるために腐心した。そのひとつの施策が、システムの変更だ。

昨季まで【4−3−3】をメインシステムとしていたマドリーだが、現在アンチェロッティ監督は中盤ダイヤ型の【4−4−2】を試している。

そのシステムで、トップ下に入るのがベリンガムだ。

マドリーは昨季限りでカリム・ベンゼマが退団した。サウジアラビア移籍を決めたベンゼマの後釜として、トップクラスのC Fの加入が期待されていた。だが移籍してきたのはホセル(エスパニョール/レンタル移籍)のみ。そこで、アンチェロッティ監督は9番のポジションの選手の穴を埋めるためにベリンガムを使っている。

2トップのロドリゴ・ゴエス、ヴィニシウス・ジュニオール、そしてトップ下のベリンガムで「擬似3トップ」 が形成される。

2トップのロドリゴとヴィニシウスが流動的にプレーして、スペースに流れたところで、中央が空く。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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