駄目なリーダーの口ぐせ「ベスト10」発表!
「リーダーの成長以上に、部下が成長することはない」
20年以上、組織改革のコンサルタントをしてきて、こう断言できる。
現代において成果をあげるためには、リーダーの成長が不可欠である。逆に言えば、リーダーの成長がなければ、それに比例してチームのパフォーマンスも悪化する。そして、リーダーの質を色濃く映し出すのが日常の言動だ。とくに何気なく言ってしまう「口ぐせ」には要注意。
今回は、駄目なリーダーがつい言ってしまう口ぐせを厳選して10個紹介し、なぜそれがNGなのかを解説していこう。
(※ランキングはすべて筆者の感覚)
1位:「前例がないからできない」
駄目に決まっている口ぐせだ。今どき、こんなことを言っていたらリーダー失格に決まっている。
イノベーションは前例がないところから生まれるものだ。しかし駄目なリーダーは新しい試みを拒否する口ぐせとして「前例がないからできない」という言葉を使う。これだとチームは安全圏から一歩も出ることができず、成長する機会を逃してしまう。
2位:「君には無理だ」
仕事を依頼したところ、部下に「無理です」と言われたら、どう思うか? それを考えたらわかるはずだ。
リーダーが部下の能力を過小評価する言葉は、メンバーのやる気、モチベーションを奪う。チャレンジを促す代わりに、「君には無理だ」と言うことで、その人の可能性を最初から閉ざしてしまう。
3位:「私がいないと何もできないのか?」
質問スタイルで嫌味を言うと、インパクトが強くなる。こう言われた部下はリーダーの発言に強い失望感を覚えるだろう。
部下の成長を阻害するこの言葉は、リーダーが自己の価値を過大評価している場合によく使われる。リーダー不在時でもチームが機能するように、部下が自らの判断で行動できるよう指導することが重要だ。
4位:「それは私の仕事じゃない」
責任逃れは、とても見苦しい。
リーダーとしての役割は、自らの責任範囲だけでなく、チーム全体の成功をサポートすることにある。この口ぐせは責任逃れと受け取られ、チームの連帯感を損なうだろう。
5位:「昔はもっと良かった」
今の時代、ノスタルジーに浸るリーダーなど不要だ。
常に過去を美化するリーダーは、目の前に山積した課題を処理することに積極的ではない。優れたリーダーは過去を学びつつ、現在のチャレンジをどう克服するかに集中するはずだ。
6位:「もう決まったことだ」
論拠が変われば結論は変わる。だから「結論ありき」で話すリーダーは論理思考力が低くなり、柔軟性がなくなる。
このように柔軟性のない言葉は、部下の意見や提案を封じる。決して心理的安全性の高いチームになることはないだろう。たとえいろいろな事情により結論が変わらないとわかっても、対話を通じて意見を出し合う姿勢が重要だ。
7位:「なんで私に聞くんだ」
リーダーとしての責任を放棄する印象を与える口ぐせだ。傾聴の姿勢がまったくない。部下との信頼関係を損ねる発言だ。適切な指導とサポートがリーダーの重要な役割の一つである。
8位:「うちの会社は特殊だから」
「できない言い訳」を言うリーダーの、典型的な口ぐせである。
この言い訳は、業界標準や他社の良い手法を取り入れることから逃げるために使われる。独自の状況を理解しつつも、外部のアイデアを閉じず、適応する柔軟さが求められる。
9位:「私の時代はもっと大変だった」
「老害」などと言われるかもしれないので、決して口にしないように心がけよう。
過去の困難を自慢することで、現在のチームの努力を小さく見せかねない。リーダーは、メンバーの今の頑張りを正当に評価し、時代に合ったやり方でチームを成長させるべきだ。
10位:「そういうの苦手なんだよ」
デジタルリテラシーが足りないリーダーがよく使う口ぐせだ。当然のことながら、苦手意識は克服するようにしよう。
そうしなければ、部下も同じように「苦手だから」と言って挑戦しなくなる。
リーダーシップは常に進化させていかなければならない。そして、そのリーダーシップの質は、日々の「口ぐせ」によって形作られる。
たかが口ぐせ、されど口ぐせである。
無意識のうちに出てしまう口ぐせを意識的に改めよう。今回紹介した「駄目なリーダーの口ぐせ」をたまに見返し、自分自身のリーダーシップをアップデートし続けることが重要だ。
リーダーの成長以上に、部下が成長することはない。
<参考記事>