まるで論理性を欠く解散会見が堂々と演じられた
フーテン老人世直し録(117)
霜月某日
奇天烈な解散劇の真意を表明するというので18日夜の安倍総理の記者会見をテレビで見た。そしてあまりの論理性のなさに唖然とした。安倍総理の弱点は「オナカではなくオツム」と前から言ってきたが、これほど論理性のない事を平然としゃべる総理がかつてこの国に存在しただろうかとフーテンは深刻になった。
同時にマイナスと発表されて市場を驚かせた7-9月のGDP速報値もねつ造かもしれないと考えるようになった。嘘を嘘で塗り固めた会見を聞くと、手段を問わずに何が何でも解散したいという安倍総理の思惑を感じるからである。
少し前まで安倍総理は、速報値で判断するのではなく、12月8日に公表される確定値を見て判断すると言っていた。速報値と確定値は違う事がありえるからである。ところが安倍総理は確定値を見ずにマイナスの速報値だけで解散の決断をした。
なぜか。アベノミクスを野党に批判させ、それを争点にする方が負けが少ないと踏んだからである。来年になれば安倍政権にとって良い事は何もない。先に行けばいくほどじり貧になる。それを分かっているから国民が気づかぬうちに選挙をしたい。そして白紙委任状を手にしたい。それが念願の改憲を可能にする道だ。
だから選挙で安倍政治を問われるより、アベノミクスで批判される方がまだましだと考えている。速報値を見て批判する野党に対し、選挙が始まってから発表される確定値で数字を好転させれば、拳を振り上げた野党は総崩れになる。国民はアベノミクスを再評価し選挙で大敗しない。そうした罠が仕掛けられている可能性があるとフーテンは考えた。
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