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中国の月探査機「嫦娥6号」打ち上げに成功、月の裏側からのサンプルリターンに世界で初めて挑戦

長征5号ロケット打ち上げの様子©Wikipedia

2024年5月3日、中国は月探査機「嫦娥6号」を乗せた長征ロケットの打ち上げに成功したと発表しました。

本記事では、月の砂を地球に持ち帰ることを目的とした嫦娥6号について解説していきます。

中国の月面探査「嫦娥計画」日本を凌駕するその開発スピードとは

■嫦娥計画とは?

嫦娥計画とは、中国が国家プロジェクトとして推進する月探査計画です。今までで5機の人工衛星を月に送っており、最初は2007年の嫦娥1号に始まり、以下のように全てのミッションに成功しています。

・嫦娥1号(2007年):月周回軌道への投入に成功

・嫦娥2号(2010年):月周回軌道への投入、小惑星トータティスに到達

・嫦娥3号(2013年):中国初の月面着陸に成功

・嫦娥4号(2019年):世界で初めて月の裏側へ着陸成功

・嫦娥5号(2020年):月からのサンプルリターンに成功

■世界で初めて月の裏側から砂を持ち帰る「嫦娥6号」

嫦娥6号のモックアップ©Wikipedia
嫦娥6号のモックアップ©Wikipedia

嫦娥計画の一連の成功に続き、嫦娥6号が5月3日に打ち上げられました。嫦娥6号の目的は、月の南極付近のアポロクレーターに着陸し、2kgの試料採取・地球へ帰還することが計画されています。もし月の裏側から砂を持ち帰ることに成功すれば、世界で初めての快挙となるのです。

嫦娥6号は、軌道船と帰還船、離陸船と着陸船の4つから構成されており、着陸船のドリルで土を掘る方式と、ロボットアームで砂をかき取る二つの方式で、月の土壌を収集します。その後、離陸船が月面のサンプルをもって離陸を開始。最終的に、離陸船は月を周回している軌道船とドッキングし、地球への帰還を始めます。全体のミッション帰還は53日間とのことです。

NASAを中心として進められている「アルテミス計画」も南極を有人基地候補としています。きっと、中国も月の南極を基地にする狙いがあるのかもしれませんね。

続く2026年に嫦娥7号、2027年に嫦娥8号では、月のレゴリスの分析をはじめ、月での陸上生態系の実験が予定されているとのこと。一体何をしようとしているのか、今から楽しみです。

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