世界で最も深い穴「コラ半島超深度掘削坑」深さ1.2万mに達したソ連が発見した重大な事実とは?
皆さんは良く、日本から穴を掘り進めるとブラジル近くに出ることができる、などのSF的な考察を耳にしたことがあるかもしれません。それでは、実際に私たち人類が最深まで掘り進めた記録はどの程度なのでしょうか。本記事では、世界で最も深い穴「コラ半島超深度掘削坑」をご紹介します。
■世界で最も深い穴「コラ半島超深度掘削坑」
コラ半島超深度掘削坑は、1970年からソ連で行われていた実験の残骸です。その目的は「地底開発」。ソ連は先進国の覇権を握るため、地球内部の理解を進めようとしていたのです。当時、アメリカとソ連は冷戦下で科学技術の競争を繰り広げており、このプロジェクトはその一環として注目されました。
コラ半島は地球で元も古い岩盤の一つであり、当初は地下1万5000メートルに到達することを目的としました。そして19年後には深さ1万2000メートルに達し、世界記録を樹立しました。これは、バルト海大陸地殻の3分の1まで貫通しており、古代の岩石帯に到達していたのです。そのため、地球物理学のための研究対象とも注目され、地震波の不連続性や、噴き出した大量の水素ガスなど、様々な科学的発見に寄与しており、中でも以下のような大きな成果が報告されています。
・地殻の構造の再評価:地殻は予想以上に複雑であり、深層に水分が含まれることが発見されました。
・微生物の存在:非常に深い層で微生物の痕跡が確認され、生命の可能性に関する議論が広がりました。
・新たな鉱物の発見:高圧下で生成される特殊な鉱物が採取されました。
しかし、それ以上を掘り進めようとすると、温度が180度と予想を遥かに上回っており、目標の1万5000kmは300度を超えると推定されました。その結果、これ以上の掘削を行った場合、ドリルが機能しなくなると判断され、1992年に実験は終了となります。そして、現在でもコラ半島超深度掘削坑は地球上で最も深い人工地点として記録されています。
コラ半島超深度掘削坑は、地球科学の発展に大きく貢献しました。このプロジェクトから得られたデータは、地震学、鉱物学、地球の進化に関する研究に利用されています。また、技術的な挑戦とその解決策は、他の掘削プロジェクトやエネルギー資源の開発に役立っています。
しかし、その5年後には穴で原因不明の爆発が起こります。また、その穴からはもがき苦しむ人々の悲鳴が録音されたと言われており、今も「地獄の井戸」と呼ばれています。もしかすると、私たち人類はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれませんね。
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