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鳥取駅近くにある謎の鉄道スポット 「鳥取鉄道記念物公園」とはいったい何か!?

鉄道乗蔵鉄道ライター
右の小屋の中にはタブレット閉塞器が保存されていた(筆者撮影)

 日本の県庁所在地の駅としては数少ない非電化の鳥取駅。鳥取駅からは、大阪や岡山方面などへの特急列車も数多く発車しているが、これらの列車は電車ではなく気動車により運行されている。気動車とはディーゼルエンジンによって走行する鉄道車両のことで、線路上部に張られた架線から電気を取り入れてモーターを駆動することにより走行する電車とは異なる。鳥取駅は立派な高架駅舎であるが、線路の上部には架線が張られていないので、鳥取駅ホーム上に立つと、空が広く見えるのが鳥取らしさともいえる。

 この鳥取駅であるが、高架駅となったのは国鉄時代の1978年と意外と古い。この時代には、東京行の寝台特急出雲号や、郵便車や荷物車を連結した長距離普通列車などが運行されていたことから、こうした長い編成を連ねた客車列車の運行にも対応するために、近年、建設された高架駅と比較しても駅施設が大規模なのが特長ともいえる。

現在の鳥取駅は1978年に高架化された(筆者撮影)
現在の鳥取駅は1978年に高架化された(筆者撮影)

 筆者は、先日、特急はまかぜ号で鳥取を訪問し(1日1本だけ運行、大阪―鳥取間を約4時間半で結ぶ「はまかぜ号」 乗り通したら車販も自販機もなかった!)、若桜鉄道を訪れ(高校生に快適な自習空間を提供 輸送密度の数字だけでは見えない「鳥取県の若桜鉄道」が運行を続ける意義)、特急スーパーはくと号で帰宅したこと(前面展望席が魅力!鳥取―大阪、2時間半で結ぶ「スーパーはくと」 最前席予約したらハズレ先頭車だった…)は、リンクの過去記事でも詳しく触れたとおりである。

 この時、同行した友人から鳥取駅近くに「鳥取鉄道記念物公園」というものがあることを教えてもらい、特急スーパーはくと号で帰宅する前に立ち寄ってみようという話となった。友人のスマートフォンで公園の画像を見せてもらったところ、線路とホームらしきものが保存されているとのことだったので、当初、筆者は「国鉄時代の貨物専用線の遺構を公園にしているのかな」と思ったが、実際にはそうではなく1978年に高架化された鳥取駅の地上駅時代の遺構を一部残したものであると分かった。

公園の入り口(筆者撮影)
公園の入り口(筆者撮影)

 ホテルをチェックアウトし、さっそく鳥取駅の南口近くにある「鳥取鉄道記念物公園」を訪れたところ、入り口では踏切警報機がお出迎え。この公園に保存されているホームは地上駅時代の2・3番のりばを移築したものであるといい、ホーム上に立つと今にもDD51形ディーゼル機関車にけん引された旧型客車列車がホームに入線してきそうな錯覚に見舞われた。公園内には、入換信号機や信号レバーなど当時の鳥取駅で使用されていた鉄道設備も展示されていたが、個人的に一番興味を引いたのはホーム上の小屋に展示してあった因美線の鳥取―津ノ井間で使用されていたタブレット閉塞器であった。

公園の一角で展示されている鉄道遺構(筆者撮影)
公園の一角で展示されている鉄道遺構(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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