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正しく叱る「基準」とは? 芯のあるリーダーになるためのイフゼンルール【7400字】

横山信弘経営コラムニスト
(著者作成)

■「褒められて伸びる人」と「叱られて伸びる人」

講演をしていると、経営者やマネジャーの方々から、次のような質問をよく受ける。

「厳しさと優しさの配分は、どうしたらいいですか?」

厳しくすれば辞めてしまうかもしれないし、優しくすると期待通りに成長しない。厳しさも優しさもどちらも大事だと思うが、どう配分したらいいのか。悩ましいというのだ。

実際に、「褒めて伸びる人」もいれば、「叱られて伸びる人」もいる。

私は断然「叱られて伸びるタイプ」だ。思い込みではない。過去を振り返ってパターン分析したら、そういう結論になった。

私が大きく成長したターニングポイントは、過去に何回かある。いずれも厳しい上司や、スパルタ講師から指導を受けたときだ。

「褒めて伸ばす」という表現がある通り、褒めることで部下や子どもが大きく成長することはある。

もちろん、私も褒められると嬉しい。

叱られて嬉しいことなど、ない。

それでも、実際には褒められると調子に乗るだけだった。叱られることによって「なにくそ」と奮起し、

「絶対に見返してやる」

と歯噛みして成長してきた。褒められて成長したときもあるが、叱られて成長したことのほうが圧倒的に多い。

このように、大事なことは、実際に成長するかどうかだ。

「私は褒められて伸びるタイプです」

と自分で言う人がいる。しかし、このように自己申告されても、それが事実かどうかは結果でしか証明できない。私のようなタイプもいるはずだ。

結局は、どんなときに褒めて、どんなときに叱るのか、である。その「イフゼンルール」が曖昧だから、厳しさと優しさの配分で悩むのだ。

※イフゼンルールとは、「●●ならば〇〇する」という習慣を身に付けるための条件式、ルールを指す

■Z世代には「コーチング」が効かない?

私が現在、親しくしている課長も「厳しさと優しさの配分」について頭を悩ませていた。

彼の頭を駆け巡ったのが、過去に厳しく指導した結果、辞めてしまった若者たちの顔だ。その苦い経験から、厳しく指導することへの恐怖心が生まれた。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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