2010年代「ディケイド球団ランキング」。勝率はヤンキース、ワールドシリーズ優勝はジャイアンツが最多
2010年代(2010~19年)のレギュラーシーズンに最も多くの白星を挙げた球団は、ニューヨーク・ヤンキースだ。921勝はロサンゼルス・ドジャースより2勝多く、30球団最高の勝率.569を記録した。勝率.500を下回ったシーズンは一度もなく、ポストシーズンには7度進出。これらは、どちらも1位タイだ。前者はセントルイス・カーディナルス、後者はドジャースと並ぶ。
ただ、「2010年代はヤンキースの暗黒時代!? ワールドシリーズ進出なしの「ディケイド」は1910年代以来」で書いたとおり、ヤンキースはワールドシリーズへ進めなかった。
このディケイドの「優等生」とでも呼ぶべき球団は、カーディナルスだろう。勝率(.555)、シーズン勝率.500以上(10度)、ポストシーズン進出(6度)、地区優勝(4度)、ワールドシリーズ進出(2度)、ワールドシリーズ優勝(1度/写真)のいずれも、トップ3にランクインしている。10シーズンとも地区3位以上だった――地区4位以下のシーズンがなかった――のは、カーディナルスだけだ。
また、サンフランシスコ・ジャイアンツは勝率こそ13位の.507ながら、ワールドシリーズ進出はディケイド最多の3度を数える。しかも、どのシリーズでも優勝していて、当然ながら、こちらも最も多い。ちなみに、ワールドシリーズ優勝は2010年から1年おきに3度。偶数年のポストシーズン進出は2016年も続いたが、この年はディビジョン・シリーズで敗退し、1年おきに4度のワールドチャンピオンとはならなかった。ジャイアンツを破ったシカゴ・カブスが勝ち進み、108年ぶりにワールドシリーズ優勝を成し遂げた。
一方、4球団は、このディケイドのポストシーズン進出が皆無だった。そのうち、フロリダ/マイアミ・マーリンズ、サンディエゴ・パドレス、シカゴ・ホワイトソックスの3球団は、ディケイド全体の勝率もシーズン勝利.500以上の回数も、ワースト3に位置する。残る1球団は、シアトル・マリナーズだ。
マリナーズと同じア・リーグ西地区のロサンゼルス・エンジェルスも、「効率」は悪かった。ディケイド全体では勝ち越し、その勝率はわずかながらジャイアンツを上回るにもかかわらず、ポストシーズン進出は2014年の1度だけ。この年は地区優勝した後、ディビジョン・シリーズでカンザスシティ・ロイヤルズにスウィープされたので、2010年代のポストシーズンは白星なしだ。
なお、ディビジョン別のワイルドカード獲得回数は、ア・リーグ東地区の球団による10度が最も多く、ナ・リーグ中地区の9度が次ぐ。他の4地区は5度以下。ア・リーグ中地区の3度が最も少なかった。
2010年代「ディケイド球団ランキング」の日本プロ野球編は、こちら。