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『3C不倫』で刺激がより強いのはTVer版。元アイドルが大胆に見せる教師との背徳の愛

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)日本テレビ

意外とスキャンダラスさは薄い本編

 “18歳成人”と民法が2年前に改正され、高校3年生が親の同意なく結婚できるようになった中で、「学園不倫サスペンス」を謳う深夜ドラマ『3年C組は不倫してます。』。

 高校生の不倫に加え、PTA不倫、教師と生徒の不倫も交錯するとの内容に、発表時点で否定的な声が寄せられた。しかし、放送開始から後半7話まで来て、惹きつけられはするが、良くも悪くもそこまでスキャンダラスな展開にはなっていない。

 中3の夏休みに出会った上村蒼(莉子)と橘伊織(杢代和人)は、互いに恋心を抱きながらも、すれ違いからそれきり会うことはなくなった。

 高3になって転校した蒼は教室で伊織と再会。初恋が再燃するが、蒼は元カノで同級生の高梨琴音(秋田汐梨)の妊娠を知り、動揺したまま婚姻届にサインしてしまう。それでも互いへの想いを断ち切れない蒼と伊織は一線を越えて……。

“三角関係+婚姻届”の印象

 伊織は結婚しているので“高校生不倫”には違いないが、青春ものによくある三角関係に“結婚”が乗っただけ、とも見える。

 しかも、結婚と言っても、伊織と琴音は婚姻届にサインしただけ。蒼と伊織の早朝の教室の窓際でのためらいながらのキスなど、普通に青春らしいシーンも見られる。

 もちろん結婚と妊娠自体、ただの高校生の恋愛にない大きなファクターではあるが、不倫というドロドロのイメージよりも純愛の葛藤が際立つ印象だ。

 1話から顔の見えない女子生徒が血まみれで倒れているシーンが挿入されていて、そこに至る衝撃的な展開がいよいよ起こるようで、これから加熱しそうではある。

スピンオフはベッドで担任と濃厚なキスから

 一方、より刺激が強いのが、TVerオリジナルストーリーとして配信されているスピンオフ『3年C組の担任と不倫してます。』。担任で化学教師の中野正義(細田善彦)と不倫中の女子生徒、佐々木真鈴(田中美久)が主人公。本編と連動しながら、危うい関係が描かれていてる。

 1話ではいきなり、ベッドの上で裸の中野に真鈴が寄り添う場面。夏休みの終わりで、真鈴は「学校始まっても、こうやって会える?」とあざとい笑顔を浮かべる。「もう1回する?」と言われ、体を重ねて濃厚なキスを交わした。

 本編1話では、真鈴は転校してきた蒼に真っ先に近づき、バイトを紹介するが、それは「おじと話すだけで時給1万」というパパ活だった。スピンオフ1話では、その前日談も。真鈴が中野と「転校生に男子たちが浮かれてる」「確かに可愛いもんな」とLINEでやり取りしたあと、化学準備室に押し掛ける。

 後ろから抱きついて拗ねてみせて、ソファに押し倒して校内キス。「先生の体も心も私に夢中にさせてやるから」と1人でしてやったりの笑顔を浮かべながら、廊下で蒼を見つけると「芽は摘んでおくか」とほくそえむところが描かれた。

パパ活での出会いにサレ妻へのマウント

 スピンオフ2話では、パパ活アプリで待ち合わせた相手が担任の中野だった……と不倫の始まりも明かされる。レストランで「うち今セックスレスでさ」という中野を、いたずらっぽくホテルに誘う真鈴。車の中でも長いキス。下着姿でのベッドシーンと続いた。

 3話では、中野の妻で同じ高校の養護教諭の中野怜(森香澄)に保健室で相談とかこつけて、「彼氏に求められすぎて困ってるんです。週3でHしてるんです」などと言い出す。

 「体だけ求められてるとしたら問題だよ」と言われると、「でも、男の人に求められなくなったら女として終わりですよね」と返す。怜は夫の不倫を知らないが、真鈴は「結婚したらレスになるって聞きますけど」などと、一方的にサレ妻にマウントを取りにかかっていた。

田中美久の小悪魔ぶりと本気

 怜が席を外した隙に中野を保健室に呼び出し、「ここでしちゃおうか。奥さんの職場でスリルヤバくない?」と迫るのは本編と共通のシーン。禁断の関係に表情豊かな小悪魔ぶりを見せる田中美久には、「色気があってドキドキする」「先生もこんな甘えられたら心が動く」といった反響も寄せられた。

 真鈴は中野に本気なことも、スピンオフで見られた。一方、中野のモノローグ中心の最新5話では「教え子とセックスしている背徳感がたまらなかった」などと火遊びのつもりだったことを語っていた。「早く離婚してね」と迫ってくる真鈴を重く感じて、徐々に距離を取ろうとしていて。

 そして、「このときは想像もしてなかった。いち教師と生徒の不倫という小さな火種が学校中を炎上させる、あんな悲劇に繋がるなんて」とつぶやき、絶叫するシーンで幕を閉じた。この2人の不倫も本編の衝撃に繋がっていくのだろうか。

 本編前回では、真鈴は何やら琴音の秘密を知っているようで、口止め料を取ろうとしていたが、保健室での中野との情事を琴音に撮られ、逆にバラすと脅されていた。真鈴はまだ17歳の未成年で、事が明るみになれば中野の立場は……と途方に暮れる。

 それまでのやりたい放題から一転したが、この不倫も彼女には純愛だったことが浮き彫りに。その辺もTVer版と合わせて観ると味わい深い。

HKT48の中心メンバーからグラビアも人気に

 田中美久は元HKT48で、昨年末に卒業している。2013年に3期生として加入したときは小学6年生。同期で同い年の矢吹奈子との“なこみく”で人気者に。当初は指原莉乃に「勝手に人の携帯を見る子ども」と言われたり、楽屋で鬼ごっこをしていたというちびっこキャラだった。

 かわいいまま成長して中心メンバーになり、センターも務めた。また、グループ在籍中から個人でグラビア活動にも進出。様々な雑誌で表紙を飾った。23歳の現在は「令和のグラビア・ヴィーナス」と呼ばれている。

 卒業シングルの取材では、ひと足先に卒業した矢吹がドラマで30秒のキスシーンがあったことに触れ、「奈子に聞いて動揺しました。『私は許さないよ』と言いました」と冗談交じりに話していた。

サイコスリラーで狂気じみた地雷系JKも

 だが、田中が卒業して主演した今年3月のドラマ『シンデレラ・コンプレックス』で、自身がキスどころでない演技を見せる。『3C不倫』と同じく教師と不倫する女子高生役だったが、ラブサイコスリラーで狂気じみた地雷系JK。

 自分からイケメン教師を誘惑して、保健室や修学旅行の部屋でもキスシーンやベッドシーンがあり、豊かな胸に顔を埋められたりも。さらに、教師の妻を階段から突き落とし、悪魔的な顔で笑ったところはゾッとするほど。最近までアイドルだったとは思えない振り切りぶりだった。

 6月に『上田と女がDEEPに吠える夜』に出演した際は、「小学6年生からアイドルをやってきて、恋愛経験が一度もない。(プライベートで)キスしたことはないです」と話していたが。

思い切りの良さが光り出演作が相次ぐ

 卒業1年足らずで、他にも『夫の家庭を壊すまで』のレギュラーや12月20日公開の映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』など出演作が相次いでいる。現在は朝ドラ『おむすび』で、ギャルサークルに新たなに加わったリナ役も。

 バラエティにも頻繁に出演している他、グラビア人気もさらに高めた。9月発売の2nd写真集『気ままに。』では横乳、手ブラなど大胆カットにも自ら望んで挑戦している。

 かわいらしいルックスで、恐れ知らずなほどの思い切りの良さを見せる田中美久。『3年C組の担任と不倫してます。』でも発揮中のその魅力は、これからさらに光っていきそうだ。

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芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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