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沖縄近海は31度以上の高い水温 台風3号は非常に強い勢力で沖縄接近 #専門家のまとめ

饒村曜気象予報士
図 台風3号の進路予報と海面水温(7月21日21時の予想)

沖縄近海は、海面水温が平年よりかなり高い31度もあり、沖縄では夜になっても気温が下がらず、30度近い超熱帯夜になっています。現在、フィリピンの東にある台風3号は、台風発達の目安となっている27度を超える高い海面水温の海域を北上中で、台風は今後、非常に強い勢力に発達し、24日(水)~25日(木)頃にかけて沖縄地方に接近する見込みです。沖縄県先島諸島では、警報級の大雨、警報級の高潮となるおそれがあります。

ココがポイント

▼日本に影響しそうな台風は一週間以上前から予想できており、これに対する注意喚起が行われている。

来週日本に影響しそうな熱帯低気圧が発生、今後の動向に十分注意(Yahoo!ニュース エキスパート 杉江勇次)

▼台風3号は海面水温が高い海域を北上しながら発達するとともに、台風が持ち込む暖気や強い日射で全国的に暑さが厳しくなる。

【台風3号の影響】24日~25日沖縄に接近するおそれ 暑さは一段と厳しく、長く続く予想(Yahoo!ニュース エキスパート 片山由紀子)

▼今年の熱帯赤道域はエルニーニョ現象からラニーニャ現象に変わり、台風の発生数は少なく、発生位置は日本近海に近い傾向がある。

2024年の台風 ラニーニャの影響で日本近海の発生が増加傾向か 台風3号の影響は(tenki.jp)

▼台風進路予報の予報円表示が始まった昭和57年頃の24時間予報の平均誤差は200キロ以上ありましたが、現在は約60キロです。

今年も越年台風なし 20世紀後半には10年に1個くらいあった越年台風が24年間0個(Yahoo!ニュース エキスパート 饒村曜)

エキスパートの補足・見解

台風は熱帯の海で発生し、北上してきますので、台風進路予報の精度が悪かった時代でも、台風の位置を正確に知ることができれば、ある程度の防災活動に役立ちます。少なくとも、人的被害は減らすことができます。集中豪雨や地震とは全く違った台風の特徴です。

このため、太平洋戦争後、気象衛星が登場するまでの間は、飛行機での台風探索飛行が行われました。現在は、台風の進路予報の精度向上により、早めに防災対策がとれるようになり、鉄道各社が計画運休を早めに決めて公表し、台風による列車運行中止の混乱を最小限にしているのはその一例です。

正確になっている台風情報を利用し、人的被害をゼロにしてほしいと思います。

タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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