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北朝鮮国営メディア、7日のSLBM発射についても報じず 異例の連続未公表

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
北朝鮮国営メディアが昨年10月に報道したSLBM実験シーンの写真(労働新聞)

北朝鮮国営メディアは5月8日、同国が前日7日に東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)付近から発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と推定されるミサイル1発について報じなかった。

北朝鮮はミサイル発射翌日の朝に事実を公表することが多い中、4日に平壌近郊の順安(スナン)から日本海に向けて発射した弾道ミサイル1発についても報じなかった。連続の未公表の事態に異例だとの見方が出ている。

北朝鮮はこれまでもミサイル発射の公表を見送ったり、すぐに公表しなかったりすることは稀にあった。発射失敗や期待外れの成果のために公表を見送ったり、発射実験自体が一連のミサイル発射や能力テストの一部であったりする場合には、公表が遅れてきた。しかし、2回連続の未公表は珍しい。

それも、軍事専門家の間では、4日に発射したミサイルは新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」のシステム試験である一方、7日に発射したミサイルは「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる地上発射型短距離弾道ミサイル(米軍コード名:KN23)をSLBMに改良したものとみられている。種類の違うミサイルと推定され、なぜ連続で未公表にしているのかさまざまな憶測を呼びそうだ。

北朝鮮がミサイル発射の事実公表を控えるよう方針を変えたのかどうか。あるいは一時的なことなのか。今後の動向が注目される。

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米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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