北朝鮮国営メディア、7日のSLBM発射についても報じず 異例の連続未公表
北朝鮮国営メディアは5月8日、同国が前日7日に東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)付近から発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と推定されるミサイル1発について報じなかった。
北朝鮮はミサイル発射翌日の朝に事実を公表することが多い中、4日に平壌近郊の順安(スナン)から日本海に向けて発射した弾道ミサイル1発についても報じなかった。連続の未公表の事態に異例だとの見方が出ている。
北朝鮮はこれまでもミサイル発射の公表を見送ったり、すぐに公表しなかったりすることは稀にあった。発射失敗や期待外れの成果のために公表を見送ったり、発射実験自体が一連のミサイル発射や能力テストの一部であったりする場合には、公表が遅れてきた。しかし、2回連続の未公表は珍しい。
それも、軍事専門家の間では、4日に発射したミサイルは新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」のシステム試験である一方、7日に発射したミサイルは「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる地上発射型短距離弾道ミサイル(米軍コード名:KN23)をSLBMに改良したものとみられている。種類の違うミサイルと推定され、なぜ連続で未公表にしているのかさまざまな憶測を呼びそうだ。
北朝鮮がミサイル発射の事実公表を控えるよう方針を変えたのかどうか。あるいは一時的なことなのか。今後の動向が注目される。
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