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ダメなマネジャーはどっちが足りない? 執着か執念か? 執着と執念の違い

横山信弘経営コラムニスト
執着を捨てて執念を燃やそう(写真:アフロ)

「もっと執着心を持て」

「執念を燃やせ!」

と言うマネジャーがいた。メンバーに檄を飛ばすのはいいが、執着と執念の違いを分かったうえで使っているのだろうか? 

そして組織マネジャーに必要なのは執着か、執念か、どちらなのか? 今回は執着と執念の違いについて解説しよう。この違いがわかるだけで、マネジメント力は格段とアップする。経営者、マネジャーの方はぜひ最後まで読んでもらいたい。

■執着と執念の違い

それでは具体的な例を使って解説しよう。

どうしても達成したい目標がある――。

何としても手に入れたい資格がある――。

そのためにはどんなことでもやる――。

このように「あり方」「あるべき姿」に焦点を合わせているマネジャーは執念があると言える。

いっぽう達成したい目標があっても、これまで慣れ親しんだ方法ややり方を変えない人がいる。

このように「やり方」に焦点を合わせているマネジャーは、執着していると言える。

つまり、執念とは、何かを成し遂げたいという強い気持ちであり、執着とは、強いこだわりや離れられない心のことだ。優秀なマネジャーほど執念があり、ダメなマネジャーほど自分のこだわりに執着してしまう。

■執着をなくすために意識すべき3つの認知バイアス

それでは執着をなくすにはどうしたらいいのか? 次の3つの認知バイアスを理解し、囚われないように日々心掛けることだ。

(1)確証バイアス → 自分にとって都合のいい情報だけを受け入れ、都合の悪い情報を無視しようとするバイアス。

(2)損失回避のバイアス → 損失を避けようとするあまり、リスクを取ることができず成長の機会を逃してしまうバイアス。「不安最小化思考」の人の傾向。

(3)エンドウメント効果 → 既に所有しているものに過剰な価値を見出し、それを手放すことが困難になるバイアス。「保有効果」とも呼ぶ。

ここでワンポイントアドバイス。

執着をなくすには「メタ思考」を持つことが重要だ。マネジャーは視座を高めて、客観的な思考を鍛えていこう。そうすれば「期待最大化思考」が手に入り、メンバーに対してポジティブに期待できるようになる。

<参考記事>

【大作】新しい発想ができない人には絶対不可欠!「メタ思考」トレーニング3つのステップ

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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