今年のノーベル賞受賞者の発表が始まり、日本人の受賞となるか注目されているが、これまでのひどい待遇により博士課程の学生の数は減り続け、コロナ禍において若手研究者はさらに困窮している。
研究が遅れている大学院博士課程の学生に対しては、学振特別研究員、海外特別研究員の採用期間の延長、それに伴う財政的支援を求めたが、従来から指摘されている、授業料負担の大きさや給料の低さ、アカデミックポストの不足など、解消されていない課題は山のように存在する。
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そこで、若手研究者の待遇改善を図るべく、今若手研究者は何を求めているのか、筆者が代表理事を務める日本若者協議会では若手研究者を対象にアンケートを実施。博士後期課程の大学院生を中心に計233名に回答してもらった。
その結果を、一部紹介したい。
以下の内容は全て、日本若者協議会によるアンケート結果まとめからの引用。
若手研究者の課題に関するアンケート結果まとめ
アンケートの概要
このアンケートは、日本若者協議会のHPやSNS上で回答を募集したWebアンケートです。調査対象は、大学生・大学院生〜ポスドク・常勤研究者で、調査期間は9月11日(金)〜23日(水)です。
・調査方法 Web調査(日本若者協議会ホームページやSNS上で回答を募集)
・調査対象 国内外の大学生・大学院生〜ポスドク・常勤研究者
・調査期間 9月11日(金)~9月23日(水)
・回収数 233回答
・アンケート結果についての注意点
※Web上の調査であり、属性が偏っている可能性があります。
日本若者協議会とは、若者の声を政府や社会に届ける「窓口」として、若者政策の立案、各政党との政策協議、政策提言を行っている若者団体です。
迅速に対応すべき問題は何か?
現在、大学院生および非-常勤研究者に対して、迅速に対応すべき問題は何か、複数回答で選択してもらった結果、これまでの各種調査と同様に、博士後期在籍者に対する経済的支援と修了者の就職先に関して、特に回答が集まった。
また自由回答としては、「出産・育児と研究者の両立」が多く挙げられ、託児所の設置や社会保険の適用、手当支給を求める声が強かった。
それぞれのテーマに関する現状や意見を一部紹介する。
経済的支援について
修了者の就職先について
出産・育児と研究者の両立について
研究上の支障について
その他
日本若者協議会では、現在、本アンケート結果等を踏まえ、提言をまとめており、近日中に政府・政党に提出予定だ。