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AI時代に生き残れない営業、生き残る営業、ますます活躍する営業【法人営業大学】

横山信弘経営コラムニスト
(提供:イメージマート)

AIの進化が止まらない。例えば、ChatGPTの登場からわずか2年で、AIはさまざまな業界で急速に浸透した。最近のニュースによると、Google、Microsoft、Metaなどの大手テック企業が、AIを使って日常の業務を劇的に改善する技術を発表している。

こうした進化により、AIは単なる補助的ツールの枠を超えて、さまざまな分野での中心的な役割を果たすようになるだろう。もちろん営業職に対してもである。

つまりAIをうまく活用できない営業は淘汰されるということだ。しかしながらAIを活用し、新たな価値を提供できる営業はどうだろうか? ますます活躍の場を増やすことになるのではないか。そこで今回はAI時代に生き残れない営業、生き残る営業、そしてさらに活躍する営業の特徴を解説しよう。すべての営業、営業マネジャーの方はぜひ最後まで読んでいただきたい。

■AI時代に生き残れない営業3つの特徴

AI時代に生き残れない営業には、3つの特徴がある。

(1)引き合い対応に頼りすぎる
(2)データ活用が苦手
(3)顧客との深い関係を築けない

まず第一に、引き合い対応に頼りすぎる営業だ。歴史があり、技術力も高い会社に勤めている営業は、総じて「引き合い対応」が多い。新規顧客開拓などほとんどやったことがない営業もいる。

そのような営業は一発で分かる。自社の商材はおろか、会社紹介、自己紹介もスラスラ言えないのだ。いつも取引先が同じなので、初めて会った人に分かりやすく商品説明することさえもできないのだ。

<参考記事>

■なぜダメ営業はこんなことも言えないのか? 商品紹介、会社紹介、自己紹介を15の切り口で徹底解説

第二に、データ活用が苦手な営業だ。昭和の時代には「数字が苦手」という営業など存在しなかった。「数字こそが正義」「数字だけを追いかける」そんな営業ばかりだったのに、昨今は数字、データを読み解けない営業が増えた。

しかしAIやデジタルが進化した世の中では、データを理解して、それをもとに戦略を立てる能力が不可欠だ。これができないと、うまく活用できるライバル会社の営業に勝てるはずがないからだ。

第三に、お客様との深い関係を築けない営業だ。AIはデータからお客様のニーズを予測してタイミングよく提案をすることはできる。しかし最終的にお客様の信頼を得るのは人間の力だ。お客様と単純接触を繰り返し、信頼関係を築けない営業は存在意義が失われる可能性が高い。

■AI時代に生き残る営業3つの特徴

次に、AI時代に生き残る営業の特徴を3つ挙げる。ますます活躍できるわけではないが、何とか生き残ることができる営業である。

(1)データの扱いがうまい
(2)クリエイティブな発想ができる
(3)変化に対応できる(現状維持バイアスにかからない)

まず第一に、データの扱いがうまい営業だ。デジタル技術が提供するデータを読み解き、そこから対策をとることができる能力は今後不可欠だ。たとえば、お客様の購買履歴や行動パターンを分析して、次の一手を考えることができる営業は強い。

第二に、クリエイティブな発想ができる営業だ。AIは過去のデータからパターンを見つけるのが得意だが、新しいアイデアを出すのはまだできない。クリエイティブシンキング、ラテラルシンキングは人間の得意分野だ。お客様の予想を超える提案ができる営業は、AI時代でも価値を発揮する。

第三に、変化に対して柔軟に対応できる営業だ。人間はAIの操り人間になってはいけない。AIの分析結果に基づいて行動するだけでなく、最終判断は人間がすべきだ。その場の状況を的確に察知し、判断できる。このような状況判断能力や反射神経がある営業は、生き残っていけるだろう。

■AI時代にますます活躍する営業2つの特徴

最後に、AI時代にますます活躍する営業の特徴を3つ紹介する。「AI時代に生き残る営業3つの特徴」に次の2つを加えたい。

(1)深い専門知識を持つ
(2)AIを積極的に活用する

まず第一に、深い専門知識を持つ営業だ。AIが一般的な知識やデータを扱ういっぽうで、特定の分野における深い知識や経験を持つ営業は、もっと高度なアドバイスができる。

たとえば私どもは、目標の2倍の予材をあらかじめ仕込んで目標を絶対達成させる営業マネジメント手法「予材管理」を事業の中核に据える。この「予材管理」についてAIに質問しても、AIは何も答えられないだろう。専門的すぎるからだ。

このように深い専門知識を活かした提案やアドバイスは、AIには真似できない領域だ。ニッチで深い専門知識を持つ営業は、AI時代においてますます活躍できるだろう。

次に、AIを積極的に活用する営業だ。当然だろう。AIを敵視するのではなく、共存し、活用できる営業は確実に大きな力をつける。先述したとおり、大部分の仕事をAIに任せ、自分はクリエイティブな仕事、専門的な知識が必要な仕事、状況判断や反射神経が求められる場面だけに注力できるからだ。営業効率も極めて高くなる。

■まとめ

このようにAI時代には、営業の仕事が大きく変わる。とはいえ営業職が淘汰されることは絶対にない。大きな格差が生まれるだけだ。

データをうまく扱うだけでなく、クリエイティブな発想を持ち、柔軟に対応できる営業を目指そう。AIをうまく活用することで、さらなるエンパワーメントができるはずだ。そのためのスキルをぜひ身につけてもらいたい。

<参考記事>

なぜダメ営業はこんなことも言えないのか? 商品紹介、会社紹介、自己紹介を15の切り口で徹底解説

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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