岸訪米と安倍訪米を比較する事で政治の先行きを読む
フーテン老人世直し録(150)
皐月某日
アメリカを喜ばせる事に終始した総理訪米が終わり、通常国会はいよいよこれからが本番である。アメリカにひたすら従属する安倍政権は国権の最高機関の議論もないままアメリカの思い通りに日米安保体制の重大な変更を決めてしまったが、そうした外交姿勢を巡る議論がようやくこれから始まる。
そこで国の在り方を大きく変える議論が始まる前に、似たような過去を振り返る事で、これから始まる議論に対する心の整理をしておこうと思う。似たような過去とは、半世紀以上も前に安倍総理の祖父岸信介がアメリカに大歓迎された訪米とその後の国内政治の話である。
岸信介は1957年2月に病に倒れた石橋湛山の後を継いで総理に就任した。岸が総理になった事でアメリカはほっとする。石橋は戦争反対の自由主義者であったが戦後GHQによって公職追放され、そのため石橋には反米感情があるとアメリカは警戒していた。また前任の鳩山一郎は日ソ平和条約に力を入れてアイゼンハワー政権から不快感を持たれていた。
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