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2022年上半期に大反響だった食の事件トップ5 マツコ・デラックス氏と有吉弘行氏の順位は……

東龍グルメジャーナリスト
(写真:アフロ)

2022年の上半期が終了

2022年は年明けに新型コロナウイルスの感染が拡大し、長らくまん延防止等重点措置が東京都などに発出されていました。全国的にまん防が3月21日に解除されてから、新規感染者数は低下していき、東京都では6月13日に960人にまで落ち着きます。しかし、7月からは新規感染者数が激増し、最多記録を更新しているという状況。

こういった社会情勢の中でも、食に関する事件が度々世間を賑わしています。

今年も折り返し地点を過ぎたところで、2022年上半期に執筆した食に関する事件の記事の中から、アクセス数やSNSの反応を加味して、反響のあったトップ5を紹介しましょう。

5位/勝手に出されたシャンパーニュが4,000円

勝手に出されたウェルカムシャンパンが4千円で困惑! 問題を理解するための考察(東龍)/Yahoo!ニュース

弁護士ドットコムに寄せられた相談です。

相談者によると、インターネットで36,000円のディナーを予約して訪れたところ、スタッフから「ウェルカムシャンパンです」といわれてドリンクが提供されました。食べ終えて会計すると40,000円が請求されており、最初に飲んだグラスシャンパーニュの4,000円が追加されていたということです。

これに対して弁護士は、ウェルカムシャンパンは客が注文したものではなく、値段も伝えていなかったことから、売買契約が成立しておらず、代金を請求できないと回答。

こういったケースはよくあることなのか、どういった状況であったのかについて考察しました。

4位/「いきなり!ステーキ」社長による従業員への喝

「いきなり!ステーキ」社長による従業員への「いきなり喝!」は何が問題か?(東龍)/Yahoo!ニュース

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスの社長である一瀬邦夫氏が、1月24日に年初の言葉として、あるコメントを掲載しました。

外部にも公開されている社内報には「ご来店されたお客様に不快な思いをさせたネガティヴな従業員をゆるすことは、到底できません」「店舗では作業するだけで給料をもらえると思うのは大間違いです」と厳しく言及。「クレームゼロ憲章」の中には「再三にわたるクレームの当事者は、厳重な処分をします」という項目もあります。

SNSでは批判が多いようですが、一部には賛成の声も上がっていました。

飲食店におけるサービスの重要性や、問題になりうる点について述べています。

3位/カツカレーを完全否定

林修氏が「日曜日の初耳学」でカツカレーを完全否定して賛否両論! 番組での酷評が残念な理由(東龍)/Yahoo!ニュース

カツカレーはビーフカレー、ポークカレーに次いで3番めに人気のカレーです。非常に重たいので、女性よりも男性に好まれる傾向にありますが、もはや市民権を得ているカレーのひとつであることは確かでしょう。

このカツカレーが、あるテレビ番組で取り上げられ、賛否両論を呼びました。

2021年11月28日に放送されたTBS系「日曜日の初耳学」でのこと。著名な飲食店プロデューサーの稲田俊輔氏がカツカレーについて、「日本人はカレーを見たら何かをのせたくなる民族」「1+1が1.5くらいにしかならない」と言及。

インタビュアーである林修氏も賛同します。「カツが本当においしい店で最高においしいカレーは作れない」「カレーがおいしい店はカツを揚げる技術を持っていることが少ない」ということで「1+1が絶対2にならない料理」と講評。

番組ではカツカレーが完全に否定されたような感じだったので、細かく検証しました。

2位/テレビ撮影中止でフルーツサンド1,000個が無駄に

行列店が「ヒルナンデス!」撮影中止でフルーツサンド1,000個を無駄に! 3つの疑問に対する考察(東龍)/Yahoo!ニュース

飲食業界にとって、ノーショー(無断キャンセル)やドタキャン(直前キャンセル)は大きな脅威であり、日本の食文化にも大きなダメージを与えます。これまでは一般の利用者によるノーショーやドタキャンが問題となっていましたが、テレビ番組によるノーショーが起きました。

東京都目黒区にある行列ができるフルーツサンド専門店でのこと。

日本テレビ系の情報番組「ヒルナンデス!」から21時に連絡があり、翌日の18時から撮影することに決まりました。しかし、約束した日時になっても撮影クルーは訪れません。19時になってからようやく連絡が入り、時間がないので撮影に行けないといわれます。

撮影に合わせて用意された1,000個のフルーツサンドが無駄になりました。同店がInstagramに、この経緯と共に助けを求めるストーリーを投稿。テレビ番組によるノーショーが多くの人の知るところとなり、話題となります。

SNSの反応をみてみると、テレビ番組の制作スタッフに対する批判が多くを占めています。私も食の番組に多く出演してきたので、その経験をもとにして、いくつかの疑問について言及しました。

1位/学校給食への指摘

マツコ・デラックス氏と有吉弘行氏による小学校の給食に対する指摘はなぜ間違っているのか?(東龍)/Yahoo!ニュース

マツコ・デラックス氏と有吉弘行氏が出演するテレビ朝日「マツコ&有吉 かりそめ天国」で学校給食を取り上げていました。

小学2年生の女子が、先生から給食のデザートは最後に食べなさいと指示されたところ、「食べたい時に食べたい」といいました。マツコ氏は「西洋料理のマナーを勉強させたいのかね?」、有吉氏は「給食なんてバイキングと一緒なんだから、好きに食べりゃいいんだよ」と指摘します。

マツコ氏は「お腹いっぱいにさせないためかな?」「だったら1品1品出しなさいよ」、有吉氏は「もうデザート隠しとけよ!食べた者にだけあげればいい」とも言及。さらに有吉氏は「量も各々違っていいんだよね」、マツコ氏は「嫌いなものを無理して食べさせるのは良くない、あれみんなトラウマになってるから」といいます。

影響力のある2人が述べた学校給食への指摘が正しいかどうかについて考えました。

テレビ関連がトップ3に

2022年上半期の反響が大きかった記事トップ5を紹介してきましたが、上位3つがテレビに関するものでした。もともとテレビを取り上げると反響が大きくなるものですが、トップ3までがテレビ関連となったのは意外なところ。コロナのせいであまり外出せず、自宅でテレビを観ていた方が多かったからかもしれません。

引き続きテレビは影響力が大きいだけに、食に対しても正しく誠意ある番組制作を行ってもらいたいと思います。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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