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愛と依存:甘えと甘やかし:似ているけれど大きく違う人間関係:アタッチメントの心理学

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:人には健康的で本当の愛が必要(写真:アフロ)

■愛するけど依存させない/甘えさせるけど甘やかさない

親子、夫婦、上司部下、先生生徒、友人、恋人、医師と患者、カウンセラーとクライエント。どの人間関係でも、互いの信頼関係、愛のある温かな人間関係が大切です。

最近は、子供の教育でも、職場でも、ほめることが重視されていますね。けれども、様々ある教育論の中でも、「子供を甘やかしましょう」というのは、聞いたことがありません。

パワハラはだめですし、働きやすい職場が良いと思いますが、「新入社員を甘やかせ」と言う社長はいないでしょう。新入社員自身、叱られたいとは思わなくても、甘やかされたいと思う人も少ないでしょう。

子供でも部下でも、親や上司に依存したままで良いわけではありません。それは、家庭でも、職場でも、学校でも、病院でも同じです。では、どうすればバランスの良い人間関係ができるのでしょうか。

甘えと甘やかし、愛情関係と依存関係は、似ているのですが、大きく違うものなのです。

■愛と甘えの大切さ

愛は大切です。人間の生きる土台です。愛されている確信があって初めて、人は力強く生きていけます。

赤ん坊は、栄養や酸素や清潔があれば健康に生きていけるわけではありません。見つめられたり、抱かれたれたり、優しく話しかけられたり、そういう愛のある行為が、健全な成長のためには不可欠です。

生徒や社員も同じです。先生や上司に愛されている、信頼されている、受け入れられている、そのように感じることで、やる気も生まれます。不正を働きにくくなります。

患者やクライエントも同じです。信頼関係がなければ、治療意欲もわきません。

子供が甘えてくるときには、甘えることが必要なのですから、甘えませましょう。甘えさせると、甘えん坊の弱い子にならないかと心配する親もいますが、健康的に愛し甘えさせれば、子供は自然と自立していきます。

■甘やかしはだめ

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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