「3種類の努力」と「3×2種類の成果」を意識しよう! 人生の成功を勝ちとるたった1つのパターンとは?
■「平々凡々な人生」という成功を勝ちとれ!
「私は別に、平々凡々な人生を送ればいいんです」
という営業課長に会った。41歳。私は同調した。「そうなんですね」と言って。
とはいえ、「平々凡々な人生」という表現がきわめて抽象的であったので、「できれば具体的に、どんな人生なのか」と質問してみた。すると、
2人の子どもを立派な大人に育てること。具体的には、2人とも大学を卒業し、普通に就職し、結婚する。そこまでできれば親の役目は終わる。あとは、妻と一緒に毎日のんびり生活したい。たまに国内旅行に行ったり、子どもたちの家族とバーベキューでもやれたらいい。それぐらいな平凡な人生でいい、と言うのだ。
人によって「平々凡々」の解釈は違うだろうから、その課長が言っている人生が本当に「平々凡々」なのかどうかは、私にはわからない。ただ、その人生を送るために、どれほどの資産が必要なのかということは気になった。
残っているマンションのローンや、子どもたちの教育費。年老いた親たちのケアなどを考えると、どうなのか。
そして、この先、今の年収のまま定年まで働けるのか。定年はだいたい25年後になるわけだが、あと25年間も今の会社で働くことができるのか。そして現行と同じ定年制が25年後にもまだ存在するのか。
誰もわからない。
「計算してみると、今の年収がずっと続いても、マンションのローンを完済できないですね。両親は田舎に土地を持っていますが、それほど資産はない。子どもたちの教育費とか、親のケアを考えると……」
そう口にすると、課長の声のトーンがとたんに落ちた。
「年金って、どうなるんですかね。それをアテにしていると、大きなしっぺ返しを食らう気がします」
「それよりも長寿リスクと思います」
「え! 長寿リスク?」
「人生100年時代です。よほどのことがない限り、私たちの世代は100歳近くまで生きます」
「100歳まで」
「もう100歳まで生きても、長生きとは言われなくなる時代ですよ」
平均寿命が延び、長生きすることで経済的リスクを背負うことになる。この「長寿リスク」は、今後日本において大きな問題となるだろう。
「すべての中流家庭は貧困化する」
という衝撃的な一文ではじまる「格差と階級の未来」という書籍を読めば、この課長が思い描く「平々凡々の人生」を送ることがいかに難しいかわかる。
課長が何も言わなくなったので、
「企業経営と同じですよ。平々凡々の企業であり続けたいと思っても、これからの時代は相当な努力が必要です。会社員の人生も一緒」
と私は言った。
この課長が口にした「平々凡々の人生」を送ることができたら、これからの時代、人生成功したと評価しても問題ではない。そのためには、どんな努力が必要なのか。才能がなくても、人生が豊かになる考え方を今回は解説する。
■「3種類の努力」と「3×2種類の成果」とは?
これからは、会社員にとって本当に苦難な時代になると考えている。毎月、固定給が入ってくることが「あたりまえ」だと長年経験してしまうと、3種類ある努力のうちの「1種類」をしなくなるからである。
現場に入ってコンサルティングをしていて、つくづくそのように思う。
いっぽうで、その「1種類」の努力さえ惜しまなければ、他の大多数の人がしていないため、ほぼ確実に「勝ち組」に入ることができるだろう。長寿リスクも回避できるに違いない。
それでは努力とは何だろうか?
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