【四條畷市】路地裏の駄菓子屋でサクサクふっくらアジフライを賞味 代金の一部で子どもたちの「食」を支援
先日オープンしたドーナツ屋「10”72(ドーナツ)」の近くの路地に入ると、ほどなくして「食堂まばたき」という看板の店が現れます。以前見つけた時はあいにくお休みでしたが、9日の「10”72」取材後に行ってみると、店が開いていたので入ってみることにしました。
ん? おかしいですね。店の前ののれんには「まほうのだがしやチロル堂 四條畷店」との文字が。看板には「食堂まばたき」と記されているですが。疑問を抱きつつも、黒板に定食のメニューが書かれていたので、ともかく店に入ります。
テーブル席に着席。メニューを見て、「サクサクふっくらアジフライ定食」を注文します。
やがて定食が目の前にやってきました。アジフライはふっくらと肉厚。衣はサクサクと歯ごたえも良し。なんでも、アジは鳥取県の境港で水揚げされたもので、人工調味料を使わずすべて手作業で調理しているとのこと。真昆布とかつお節でだしを取っているというみそ汁、市内の田原地区産の5分付き玄米ごはん、煮浸しなどの惣菜も美味でした。
店内の掲示物を見て、なぞが解けました。「まばたき食堂」は22年12月、「まほうのだがしやチロル堂 四條畷店」に変わっていたのです。
この店では、18歳以下の子どもたちが100円玉を入れてガチャガチャを回すと、店で使える通貨の「チロル札(1枚で100円分)」が入ったカプセルが出てきます。このチロル札を使って店で駄菓子やカレーなどが食べられますが、カプセルによってはチロル札が2〜3枚入っていることも。子どもたちには100円を払って100円以上の食べ物が買える、いわば「魔法」のような恩恵を受けられる可能性があるというわけです。
そんな子どもたちの「食」にかかった費用の一部は、大人の寄付(店ではこれを「チロる」と呼びます)で賄われます。筆者のように来店した大人の飲食代の一部が寄付金として充てられる他、金や物品の寄付も受け入れているそうです。
「困っている子、困っていない子を問わず、安心して過ごせる場所を提供したい」と語るのは、店主の島田丁花(ちか)さん。島田さんは20年9月、この地で手作りの無添加定食を提供する「食堂まばたき」を開業。その後、奈良県生駒市にある「まほうのだがしやチロル堂」が、大人の寄付で子どもの「食」を支援する仕組みを採用しているを知り、同店のオーナーに同じ仕組みを採り入れたい旨を申し入れた結果、チロル堂の四條畷店として新たに開業するに至りました。
店を訪れる子どもの数は、子どもたちの口コミによって次第に増えていったそうです。島田さんは「子どもたちのための店に見えますが、大人が新しい形の支援を学んだり、地域と関われたりする場所としても発信できれば」と、これからの抱負を語ってくれました。
以前、「四條畷は路地が多く、おもむきがある」と筆者に教えてくれたのは、絵本作家の谷口智則さんです。この店との思いがけない出会いで、谷口さんの語る路地の魅力を体験できたように思います。
<店舗情報>
まほうのだがしやチロル堂 四條畷店
所在地:大阪府四條畷市楠公1-11-39 1階 東店舗
電話:072-819-3599
営業時間:11:30〜18:30
※金曜日と土曜日の18:30〜22:00は、チロル酒場として営業
定休日:水曜日、日曜日、祝日
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