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【四條畷市】「井戸」の中に歴史あり──歴史民俗資料館で特別展開催中

具志堅浩二フリーライター(四條畷市・交野市)

 地域の歴史や民俗などについて学べる四條畷市立歴史民俗資料館では現在、第39特別展「井戸をのぞいてみれば──考古学からみた井戸と人のかかわりとまつり──」が開催中です。どんな展示があるのか、のぞいてきました。

11月7日午前、歴史民俗資料館へ行くと、玄関前で小さくてかわいい馬の像がお出迎え
11月7日午前、歴史民俗資料館へ行くと、玄関前で小さくてかわいい馬の像がお出迎え

 今回は、「1.のぞいてみえた、井戸のはじまり」、「2.のぞいてみえた、井戸と釣瓶」、「3.のぞいてみえた、人々の生活」、「4.のぞいてみえた、井戸のまつり」、「5.今も続く井戸と人とのかかわり」の計5コーナーの展示が用意されています。スタッフの方からは「どこから見ても構いませんよ」と言われましたが、1から順を追って見ていくことにしました。

館内の展示の様子
館内の展示の様子

 筆者が特に興味を持ったのは、井戸の中から見つかった様々なものの展示です。中でも、市内の讃良郡条里(さらぐんじょうり)遺跡の井戸から見つかった下駄は先が黒焦げ。大きさも小さくて、一体どんな人が使っていて、どういう状況で焼けたのか、と妄想をかきたててくれました。

マダイやキジの骨も井戸の中から見つかっています
マダイやキジの骨も井戸の中から見つかっています

 同じく市内の蔀屋北遺跡の井戸からは、犬や馬の骨もみつかっています。井戸のまつりにつかわれたものだそうです。

犬の背骨と馬の頭骨
犬の背骨と馬の頭骨
井戸に使われていた廃材
井戸に使われていた廃材

 この他、讃良郡条里遺跡では、かつては家の扉として使われていたと見られる廃材が、井戸の材料として再利用されているのがわかったそうです。特別展では展示されていたその扉材を見ながら、どういう経緯で廃材をリサイクルすることになったのか、しばし思いをはせました。

 10月8日にはじまったこの特別展、最終日は12月15日ですので、まだ1か月以上見ることができます。入館料は無料ですので、興味のある方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

四條畷市立歴史民俗資料館
所在地:大阪府四條畷市塚脇町3-7
電話:072-878-4558
入館料:無料
最寄り:JR四条畷駅から徒歩15分、コミュニティバス・京阪バス・近鉄バス塚脇停留所から徒歩3分

フリーライター(四條畷市・交野市)

1968年大阪府生まれ。バス・タクシー業界紙、電機業界誌の記者などを経て、2015年に独立。現在は、ヤフーニュースオリジナルTHE PAGEや週刊エコノミストなどで、環境問題、食料安全保障、公共交通から街ネタを含めて幅広いジャンルの記事を取材・執筆中。Yahoo!ニュース エキスパートでは、「地域とそこに住む人が好きになる」記事を追い求めて頑張ります!

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