今絶対に食べておくべき 京都の最新ラーメン「超濃厚」3軒
京都のラーメンは「濃厚」だ
京都は古くからラーメン文化が根付く、知る人ぞ知る「ラーメンの都」だ。戦後の屋台から続く人気の老舗がいくつもある一方で、革新的で個性的なラーメンを提供する店も年々増え続けている。京都のラーメン文化は「伝統と革新」の両方を兼ね備えた、全国でも稀有な存在と言えるだろう。
その街のイメージから、京都のラーメンはスッキリとしたあっさり味の印象を持たれることがあるが、実は真逆。醤油の味がしっかりと出た濃い味や、背脂がたっぷりと浮いたもの、あるいはポタージュスープのように濃厚なものまで、京都のラーメンは概して「濃厚」であると言って間違いはない。
毎年数多くの新しいラーメン店がオープンする京都で、今食べるべきラーメン店はどこなのか。新店の中でも「超濃厚」なラーメンをウリにした注目の店を厳選した。今、京都で食べるべき最新の超濃厚ラーメンはズバリこの3軒だ。
燻香豊かな呼び戻し濃厚豚骨「燻とん あくた川」
京都寺町通りは、豊臣秀吉が通り沿いに寺社を集めたことからその名がついた通り。現在は「寺町京極商店街」として180軒もの店が軒を連ねている、京都屈指のアーケード街に、2021年12月にオープンしたのが『燻とん あくた川』(京都府京都市中京区式部町264)。こちらは京都を中心に展開する家系ラーメンの人気店『麺家 あくた川』による新ブランドだ。
濃厚で粘度もある豚骨スープは、九州の豚骨ラーメンさながらの「呼び戻し」製法で、継ぎ足しながら旨味を膨らませていくもの。スープを啜るとほのかに燻香が立ち上がり、燻製チャーシューと共に食欲を喚起する。博多ラーメンさながらの細ストレート麺はもちろん替玉も楽しめる。オリジナルの「赤粉」は唐辛子を忍ばせる京都ラーメンスタイル。京都のみならず、九州豚骨ラーメンと横浜家系ラーメンが見事に調和したハイブリッドな一杯だ。
ポタージュのような濃厚鶏白湯『とことんとりコトコト』
京都は古くから濃厚な鶏白湯ラーメンの文化がある街だが、その流れを汲んだ超濃厚鶏白湯ラーメンで一躍人気店になっているのが、2021年1月オープンした『とことんとりコトコト』(京都府京都市南区西九条比永城町26-2)だ。市内の人気ラーメン店で経験を積み独立。以前は深草で『間借り屋』という屋号で営業していたが、念願の実店舗を東寺エリアに構えた。
驚くほどに濃度と粘度がある超濃厚スープは、油分をしっかりと取り除いてあるのでベタつきやしつこさが一切ない。二種類のネギが食感と味わい共に良いアクセントになっている。もちもちとした食感の平打ち麺が濃厚なスープと絡みまくる。京都の濃厚鶏白湯の歴史に沿った、京都でなければ食べられない京都らしいラーメンだ。
サバの旨味あふれる濃厚魚介『なぶら』
京都上京北野、古くから花街として知られる上七軒エリアに、2022年8月オープンしたばかりの新店が『なぶら』(京都府京都市上京区笹屋町5-323-2)。古い京町家をリノベーションした店舗は、新店とは思えないほど街の風景に馴染んでいる。京都で長年和食を営んでいた経験を生かし、素材本来の旨味を抽出した出汁感のある無化調ラーメンを提供している。
「身体に優しいラーメン」がコンセプト。鯖、鰹などの魚節と昆布の旨味あふれるスープは、ポタージュのような濃度と粘度を持ちながら、油分や塩度が抑えられているのでしつこさはなし。しっかりと茹でられた太縮れ麺を引き上げれば、スープに溶け込んだ鯖節が絡んでくる。和食の技法により香ばしく揚げられた鯖の竜田揚げも驚くほどにラーメンと合う。
今回ご紹介した3軒は、いずれもオープンして一年前後の新しい店ばかりだが、非常にクオリティの高いラーメンを提供して人気を博している。京都の今のラーメンシーンを語る上では欠かせない店ばかりなので、ぜひ足を運んで頂きたい。
※写真は筆者によるものです。
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