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カブスが次のトレードで獲得するのは防御率5.00の先発左腕!? 交換に放出はベリや鈴木ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヘスス・ルザード(マイアミ・マーリンズ)Mar 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、シカゴ・カブスは、トレードで大物を手に入れた。イサック・パレイデスヘイデン・ウェズネスキーキャム・スミスの3人――三塁手と右投手とマイナーリーガーの三塁手――と交換に、ヒューストン・アストロズから外野手のカイル・タッカーを獲得した。

 タッカーについては、こちらで書いた。

「カブスがトレードで獲得した外野手の実力はソト以上!? シーズン本塁打が30本を超えたことはないが…」

 タッカーに続き、カブスは、先発投手をトレードで得ようとしているようだ。WSCR-AMのブルース・レバインによると、カブスとマイアミ・マーリンズはヘスス・ルザードのトレードについて話し合っていて、マーリンズは交換に若手の野手、ジェームズ・トリアントスオーウェン・ケイシーを欲しがっているという。さらに、レバインは、12月16日に「数日中に動きがありそう」と報じている。

 ルザードは、27歳の左投手だ。2024年は腰を痛めて6月半ばにシーズンを終え、12登板の66.2イニングで奪三振率7.83と与四球率2.97、防御率5.00とスタッツも芳しくなかったが、その前の2シーズンは、2022年が18登板の100.1イニングで防御率3.32、2023年は32登板の178.2イニングで防御率3.58。この両シーズンとも、奪三振率は10.40を超えていた。与四球率は3.14と2.77だ。

 4シームに交える変化球2種、スライダーとチェンジアップは、どちらも空振り率が高い。かつてはトップ・プロスペクトと目されていて、サイ・ヤング賞2度の左腕、ヨハン・サンタナと比較されることも多かった。

 ルザードがFAになるのは2年後だ。マーリンズが求める見返りは、もっと長く保有できる野手なので、カブスで放出の噂が出ているコディ・ベリンジャー鈴木誠也は含まれそうにない。ベリンジャーの契約は、2026年が年俸2500万ドル(解約金500万ドル)の選手オプションだ。鈴木は、来シーズンが5年8500万ドル(2022~26年)の契約4年目。ルザードと同じく、2026年のオフにFAとなる。

 一方、トリアントスとケイシーは、まだメジャーデビューしていない。トリアントスは、二塁と三塁に加え、遊撃と外野も守る。ケイシーは、外野手だ。ベースボール・アメリカは、2024年の開幕前のプロスペクト・ランキングにおいて、彼らを全体73位と47位に挙げていた。

 ルザードがカブスに加入した場合、来シーズンのローテーションは、今永昇太ジャスティン・スティール、ルザード、ジェイムソン・タイオンマシュー・ボイドハビア・アサッドジョーダン・ウィックスの7人中5人となりそうだ。ボイドは、今月初旬にカブスと2年2900万ドル(2025~26年)の契約を交わした。彼らのうち、タイオンとアサッド以外の5人は、左投手だ。

 ボイドについては、こちらで書いた。

「カブスが手に入れた先発投手は4年続けて80イニング未満。2年2900万ドルの価値はあるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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