カブスがトレードで獲得した外野手の実力はソト以上!? シーズン本塁打が30本を超えたことはないが…
12月13日、シカゴ・カブスは、イサック・パレイデス、ヘイデン・ウェズネスキー、キャム・スミスの3人――三塁手と右投手とマイナーリーガーの三塁手――と交換に、ヒューストン・アストロズから外野手のカイル・タッカーを獲得した。
タッカーは、来年1月に28歳となる。2015年のドラフトでアストロズから全体5位指名を受け、2018年の夏にメジャーデビュー。2020年にレフトのレギュラーとなり、2021年以降はライトを定位置としてきた。
ここ4シーズンのホームランは30本→30本→29本→23本、出塁率は.359→.330→.369→.408、OPSは.917→.808→.886→.993と推移している。このスパンの112本塁打は、コリー・シーガー(現テキサス・レンジャーズ)とウィリー・アダメス(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)の2人と並び、22番目に多い。出塁率.362とOPS.888は、このスパンに2000打席以上の89人中、13位と8位に位置する。
一方、こちらも左打者で外野のコーナーを守るホアン・ソト(現ニューヨーク・メッツ)は、このスパンに132本のホームランを打ち、出塁率.423とOPS.943を記録した。それぞれの順位は、8位、1位、4位だ。
ただ、ソトの守備が平均を下回るのに対し、タッカーは守備も優れる。例えば、ここ4シーズンのDRSは-4と+32だ。タッカーは、2022年にゴールドグラブを受賞している。また、ここ4シーズンの盗塁は34と80なので、倍以上の差がある。盗塁死は、ソトのほうが多い。
タッカーは、2024年の出場が78試合と少なかった。6月3日に自打球が右の脛に当たり、そこから3ヵ月離脱した。そのため、規定打席には達していない。けれども、対象を300打席以上の286人に広げると、タッカーの出塁率.408とOPS.993は、どちらも3位だ。出塁率は.458のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と.419のソト(当時ヤンキース)、OPSは1.159のジャッジと1.036の大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)に次ぐ。ソトのOPSは4位の.989だ。
タッカーのホームランは23本ながら、12.04打数/本のペースは、20本塁打以上の90人中、こちらも3位。上にいるのは、9.64打数/本(58本)のジャッジと11.78打数/本(54本)の大谷で、ソトの14.05打数/本(41本)は8位だった。
怪我に見舞われなければ、タッカーは、ソトを上回るシーズンを過ごしていたかもしれない。その前の4シーズン(2020~23年)は、アストロズの546試合中505試合(92.5%)に出場している。
今オフ、FAになったソトは、15年7億6500万ドル(2025~39年)の契約でメッツに迎えられた。タッカーは、来シーズンが終わると――それまでに延長契約を交わさなければ――FA市場に出る。FA直後のシーズン年齢(6月30日時点)は、2025年のソトが26歳、2026年のタッカーは29歳だ。
ソトよりも年齢が上なので、ソトほどの大きな契約にはならないだろうが、タッカーが手にする契約の総額は、3億ドルを超えて4億ドル、あるいは5億ドルに達してもおかしくない気がする。総額4億5000万ドル以上の契約を得たメジャーリーガーは、ソト以外にあと1人、昨オフにドジャースと10年7億ドル(2024~33年)の契約を交わした大谷しかいない。