カブスが手に入れた先発投手は4年続けて80イニング未満。2年2900万ドルの価値はあるのか
シカゴ・カブスのローテーションに、マシュー・ボイドが加わるようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらが、2年2900万ドル(2025~26年)の契約で合意、と報じている。
2020年以降、ボイドは、80イニング以上のシーズンがない。2020年は、1チーム60試合の短縮シーズンに60.1イニングを投げ、規定投球回に達したが、ここ4シーズンは、いずれも、規定投球回の半分にも達していない。また、規定投球回以上の3シーズン、2018~20年の防御率は、いずれも4.30を超えている。
ただ、サンプル数は多くないものの、昨年6月のトミー・ジョン手術を経て、8月中旬に復帰した2024年は、8登板の39.2イニングで防御率2.72を記録した。ポストシーズンでも好投し、3登板の11.2イニングで1点しか取られなかった。
年齢は、来年2月で34歳。スタットキャストによると、2024年の4シームは平均92.0マイルながら、もともと速くはなく、どのシーズンの平均球速も93マイル未満だ。変化球は、チェンジアップとスライダーを主要2球種とする。
カブスにとって、2年2900万ドルは安い買い物だった、ということにもなるかもしれない。
なお、APなどによると、契約金が500万ドル、年俸は750万ドル(2025年)と1450万ドル(2026年)。2027年は1500万ドルの相互オプションで、解約金は200万ドルだ。ボイドが確実に得ることができるのは、500万ドル+750万ドル+1450万ドル+200万ドル=2900万ドルなので、2年2900万ドルと表記している。
両シーズンとも、80イニング、90イニング、100イニング、110イニング、120イニングに達するごとに、10万ドルのパフォーマンス・ボーナス(出来高)が発生する。
現時点のメンバーでローテーションを組むとすれば、今永昇太、ジャスティン・スティール、ジェイムソン・タイオン、ボイドに、5人目はハビア・アサッドか筆頭候補だろう。ボイド以外の4人は、2024年に130イニング以上を投げ、防御率3.80未満を記録している。
彼らのうち、今永、スティール、ボイドの3人は、左投手だ。アサッドでなく、ジョーダン・ヒックスがローテーションに入れば、5人中4人が左投手となる。ヒックスは、メジャーリーグ2年目を終えたところだ。まだブレイクはしていないものの、ドラフト順位は高く、2021年にカブスから全体21位指名を受けた。