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サントリーのBARで学ぶカクテル言葉 マティーニが表す”王様”からネーミング

コティマムフリー記者(元テレビ局芸能記者)
いまのわたしは最強で最高―マティーニ/筆者撮影

 現在開催中の「『BAR グラスとコトバ』presented by SUNTORY」(8月4日まで)。酒類飲料メーカー・サントリー株式会社による企画で、自分の気持ちを表す”コトバ”から、その”コトバ”のイメージに合うカクテルを提供してくれる新感覚バーです。

『BAR グラスとコトバ』/ 筆者撮影
『BAR グラスとコトバ』/ 筆者撮影

 筆者も実際に伺ったのですが、「今の自分の気持ちを表す”コトバ”」からカクテルをオーダーできる斬新な体験でした(詳しくは記事前編:「”コトバ”でカクテルを選ぶサントリーの新感覚バー 「あぁ、恋だったんだ」はどんなお酒?」を参照)。

 バーに入ると、まずはさまざまな形のグラスと100種類の”コトバ”のコースターがずらりと並ぶグラスルームで、今の自分の気持ちに合う1枚を選びます。

グラスルームに飾られたグラスとコースター/筆者撮影
グラスルームに飾られたグラスとコースター/筆者撮影

 ここに並んでいる”コトバ”は、お酒の知識や背景に詳しいバーテンダーやコピーライターなどがサントリーの企画チームに参加し、さまざまなシチュエーションを想定して考案したもの。今回は、執筆記事1万本以上、取材経験5000回以上の元テレビ局芸能記者で現・フリー記者のコティマムが、サントリー『BAR グラスとコトバ』の言葉選びや、実際にオーダーしたカクテルの”意味”を取材しました。(構成・文=コティマム)

アルコールや辛口度合いも分かる”コトバ”のコースター

グラスルームの”コトバ”たち/筆者撮影
グラスルームの”コトバ”たち/筆者撮影

 たくさんのグラスとコースターが並ぶグラスルームで筆者の目に留まったのは、「いまのわたしは最強で最高」という”コトバ”。自信に満ちあふれた言葉です。私自身は全く自信が持てないタイプですが、こんな風に堂々と「『わたしは最強で最高』と言えるようになりたいな」と思い、選んでみました。

お酒の度数も辛口度合いもMAX/筆者撮影
お酒の度数も辛口度合いもMAX/筆者撮影

 ちなみに、コースターを使ってオーダーするまでは、なんのカクテルが提供されるかは分かりません。コースターの”コトバ”の下部には、アルコールの強さや辛口度合いを表すメーターも描かれています。「いまのわたしは最強で最高」のメーターは、辛口度合いもアルコール度合いもMAX。実は筆者は数年前から禁酒しており、普段はほとんどお酒を飲まないので、「これ……大丈夫かな」とちょっと不安に……。

アルコールや辛口度合いが少ない「推しが眩しい! 財布は苦しい!」/筆者撮影
アルコールや辛口度合いが少ない「推しが眩しい! 財布は苦しい!」/筆者撮影

 アルコール度合いの少ない気になる”コトバ”や、ノンアルコールの”コトバ”もありましたが、やはり今の自分が惹かれるのは「いまのわたしは最強で最高」。

ノンアルコールの「大丈夫、最後に選ばれるのは私」/筆者撮影
ノンアルコールの「大丈夫、最後に選ばれるのは私」/筆者撮影

 思いきって、オーダーすることにしました。でも、こんな風にいろんな”コトバ”を見ながら、”今の自分の気持ちにぴったり合ったカクテル”を飲めるっていいですよね。

自分の気持ちに合う”コトバ”を決定/筆者撮影
自分の気持ちに合う”コトバ”を決定/筆者撮影

 ということで、グラスルームで選んだ「いまのわたしは最強で最高」のコースターを手に、その先の「バールーム」へと進みました。バールームでは全12席のカウンター越しにずらりとボトルが並びます。

”今と昔”に思いをはせるカクテル・オールドファッションド

ボトルが並びバールーム/筆者撮影
ボトルが並びバールーム/筆者撮影

 ここでバーテンダーさんにコースターを渡すと、その”コトバ”に合うカクテルが差し出されます。私も早速、「いまのわたしは最強で最高」を渡しました。すると、「こちらのカクテルはマティーニなります」と説明が。そして「普段お酒は飲まれますか? お酒はお強いですか?」と確認がありました。

バーテンダーさんが目の前で手際よく作ってくれる/筆者撮影
バーテンダーさんが目の前で手際よく作ってくれる/筆者撮影

 マティーニはジンをベースにベルモットを配合したショートカクテルで、アルコール度数は約35度。筆者が普段お酒を飲まないことを知ったバーテンダーさんは、「マティーニは強いお酒になりますので、お水も一緒に提供しますね。無理して全て飲まれなくても大丈夫ですよ」と気遣ってくださいました。そして流れるような手つきで、実にスムーズにマティーニを作っていく! 目の前で注がれるマティーニは美しく輝いて見えました。

BEEFEATER GINで作ったマティーニ/筆者撮影
BEEFEATER GINで作ったマティーニ/筆者撮影

 筆者の気持ち「いまのわたしは最強で最高」を表すカクテルは、ロンドン・ドライ・ジンのひとつ「BEEFEATER GIN(ビーフィーター・ジン)」で作られたマティーニ。辛口の切れ味でスッキリといただけます。

 バーテンダーさんに、「この”コトバ”からマティーニを選んだ理由」を尋ねたところ、「マティーニは完成度が非常に高く、アルコール度も高いことから『カクテルの王様』と言われています。『最強で最高』というイメージを彷彿(ほうふつ)とさせるので、選びました」とのこと。また、「”王様”というのは、カクテルを例える際に言われている言葉で、他にもウイスキーとベルモットで作るマンハッタンは『カクテルの女王』と言われています」と教えてくれました。

後輩が優秀すぎて辛い―オールドファッションド/筆者撮影
後輩が優秀すぎて辛い―オールドファッションド/筆者撮影

 さらに、「後輩が優秀すぎて辛い」という”コトバ”でオーダーすると出てくるのはオールドファッションド。ウイスキーと角砂糖、フルーツで作られています。「後輩が優秀すぎて辛い」という”コトバ”にオールドフォッションドを重ねたのは、「オールドファッションドというカクテルの名前から、オールドスクール(※old school=昔ながらの価値観やスタイル)を連想したから」とのこと。「昔の自分も今の自分も輝いている。今も昔もいい。後輩が優秀でちょっと嫉妬もしてしまうけれど、自分も輝いている」という気持から、結び付けたそうです。

ジンとオレンジジュースを使ったオレンジブロッサム(右)/筆者撮影
ジンとオレンジジュースを使ったオレンジブロッサム(右)/筆者撮影

 サントリー・宣伝部の菊池友里さんによると、この企画は「バー文化を未来につなぐ」という目的で始動したとのこと。”王様”や”女王”に例えられる”カクテル言葉”や、使われている洋酒の歴史やストーリー、色味などの要素から、100種類の”コトバ”が生まれました。また、”パッと見”のインスピレーションも大事にしたそうです。

待って自分天才かも/筆者撮影
待って自分天才かも/筆者撮影

 例えば「待って自分天才かも」の”コトバ”で提供されるのは、ジンとオレンジジュースを使ったオレンジブロッサム。「ブロッサムは才能の開花をオマージュしました。『自分天才かも』という前向きなパワーを持ちたい、ひらめきたいあなたへ、自分に自信を与えてくれるカクテルとして選びました」と、”コトバ”とオレンジブロッサムを結び付けた理由を明かしてくれました。

 ”コトバ”からカクテルを連想する、その逆でカクテルから”コトバ”を思いつく。自分の気持ちに合った”コトバ”を感じながらお酒を飲めるって、面白いですよね。

BARだからこそ伝わるバーテンダーさんの心遣い

ROKUを使って作られたマティーニ/筆者撮影
ROKUを使って作られたマティーニ/筆者撮影

 そしてバーテンダーさんの”配慮”や”心遣い”が感じられるのも、リアルな場でオーダーする良いところ。実は、前述の筆者がオーダーしたマティーニは、本当はジャパニーズ・クラフト・ジンROKU<六>で提供されるのです。しかし、筆者が普段お酒を飲まないことを知ったバーテンダーさんは、ROKUよりも優しいBEEFEATER GINに変えて出してくださったのです(ありがとうございます!)

 さりげなく水も一緒に提供してくださるなど、相手に合わせてアレンジしてもらえるのはうれしいですね。

バーテンダーさんの心遣いでお水も一緒に提供/筆者撮影
バーテンダーさんの心遣いでお水も一緒に提供/筆者撮影

 筆者が飲みやすいようにアレンジしてくださったマティーニで、「最強で最高」な気分になることができました。”カクテル言葉”も知ることができて、勉強になったBARでした。

 みなさんは、どんな”コトバ”のカクテルを飲んでみたいですか?

最強で最高な自分を表すマティーニ/筆者撮影
最強で最高な自分を表すマティーニ/筆者撮影

 言葉に関する記事は、「『関わらず』って書いていませんか? 実は、間違いです!【記者的言葉解説】」もご覧ください。間違いやすい言葉を解説しています。

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※今回の記事は、サントリーさまに掲載の許可をいただいた上で公開しています。取材時にカクテルの試飲をしています。本記事制作にあたって はガイドラインに基づき公平中立に制作しています。

『BAR グラスとコトバ』はノンアルコールカクテルもありますが、未成年は入室できません。またイベントはすでに予約で満席とのことです。

フリー記者(元テレビ局芸能記者)

元テレビ局芸能記者で、現・フリーランス記者。歌舞伎や舞台、芸能イベント、企業・経営者を取材中。記者目線ならではの“言葉のお話”や、個人的に取材したおもしろ情報を発信していきます♪執筆記事1万本以上。取材は5200回以上。現在は『ENCOUNT』、小学館『DIME WELLBEING』、舞台評、出版社書籍要約、企業HP制作など多岐に渡り執筆中。過去媒体にテレ朝ニュース、キャリコネニュース、音楽雑誌『bounce』etc.

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