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中国最新鋭の大型無人ステルス攻撃機「CH7」、年内に開発完了

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
2022年の中国航空ショーで公開された大型無人攻撃機「CH7」(航天彩虹無人機)

中国最新鋭の大型無人ステルス攻撃機「彩虹(CH)7」は試験を完了し、2024年中に開発を完了する計画だ。中国国有宇宙企業の中国航天科技集団の傘下にある航天彩虹無人機が発表した。

CH7はターボファンエンジンを搭載する無人戦闘攻撃機(UCAV)だ。全長10メートル、翼幅26メートルと大型の偵察・攻撃型ドローンとなっている。上空15キロの高高度を長時間飛行し、敵のレーダーに探知されにくいステルス性能を生かした偵察や攻撃ができる。

英軍事週刊誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは、CH7の中心的な役割が戦略目標を攻撃するために、より深く侵入して敵の防御空域を突破することにあると分析する。同誌によると、CH7の巡航速度毎時740キロ、戦闘半径2000キロ、滞空時間15時間となっている。

●第1列島線と第2列島線の間で任務を遂行

中国メディアは、CH7が第1列島線(九州-沖縄-台湾-フィリピン)と第2列島線(東京-小笠原諸島-グアム-パプアニューギニア)の間で状況把握や空挺攻撃任務を遂行するのに十分であると指摘する。そして、使用コストが低く、ステルス性能に優れているため、装備規模も非常に大きくなる可能性があると分析している。中国は第1列島線以西を内海化し、第2列島線を対米防衛ラインにすることを目指している。

さらに、CH7が偵察任務の実行のみを許可される場合、その作戦半径がグアムに拡大される可能性が十分にあり、中国ロケット軍のミサイルを誘導して目標を正確に攻撃するために使用できると評価している。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報によると、CH7は高度なステルス能力と長距離を実現する全翼構造を特徴とする。もともとは2018年に中国南部の広東省珠海市で開催された中国航空ショーでデビューしたが、その2018年モデルの翼幅22メートルよりも最新モデルは4メートル長く、上空飛行限度もオリジナル版の10~13キロから15キロへと高くなった。

CHシリーズドローンのチーフエンジニアは環球時報の取材に対し、「最大離陸重量10トンのCH7は、大型ミサイルを搭載したり、価値の高い敵目標を攻撃するために他の兵器を誘導したりすることもできる」と述べている。

●ノースロップ・グラマンのX47Bと酷似

中国は新しいドローン技術を開発するため、外国の設計を参考にしている。CH7の外観は2018年の初公開時には、米防衛大手ノースロップ・グラマンのドローン「X47B」と酷似しており、一部の欧米メディアは中国がX47Bの技術を盗んだ可能性を指摘した。しかし、4年後の中国航空ショーで公開された際には、翼フラップの再設計、より鋭角に傾斜した翼端、さらにはエンジンを収容した翼の円筒部分「エンジンナセル」が長くなっていた。

2024年の中国航空ショーは11月12日から17日まで珠海で開催される予定だ。完成間近のCH7に関する最新情報が得られる可能性が高い。

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米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。ホリプロ所属。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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