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列車と駅員の姿が消えた有人駅 大井川鐡道本線 駿河徳山駅(静岡県榛原郡川根本町)

清水要鉄道・旅行ライター

令和4(2022)年9月24日の台風15号で被災し、一年以上に渡って一部区間の運休が続いている大井川鐡道本線。現在不通となっている川根温泉笹間渡~千頭間の途中駅のうち、唯一の有人駅だったのが駿河徳山駅だ。静岡県立川根高等学校の最寄り駅で、不通区間の途中駅の中では最も利用者が多かった。

駅前通り
駅前通り

駅が開業したのは昭和6(1931)年4月12日。当時の所在地は志太郡徳山村で、山陽本線の徳山駅(山口県)との混同を避けるために国名の「駿河」が冠された。徳山村は昭和31(1956)年9月30日に榛原郡中川根村に編入。中川根村は昭和37(1962)年4月1日に町制施行し、平成17(2005)年9月20日の本川根町との合併で川根本町となった。かつては独立した村の玄関口だっただけあって、駅前はちょっとした街になっている。徳山にはかつて土岐氏が築いた徳山城があり、南北朝時代には南朝方の拠点となっていたが、北朝方の今川氏によって滅ぼされた。

改札口
改札口

駅舎は開業時のもので築92年。台風の影響で不通となってからは駅員も引き上げ、実質的には無人駅となっている。ホームへの入口は鎖で閉ざされ、立入禁止となっている。列車だけでなく駅員や利用者の姿も消えた駅舎内は深閑としていた。

待合室
待合室

高校の最寄り駅で比較的利用者が多いだけあって駅舎内の待合室も広い。不通以前の令和元年度の一日平均乗車人員は43人だった。

ホーム
ホーム

ホームは行き違いが可能な1面2線で、ホーム上には他駅と比べると長めの上屋が設置されている。ホーム上には5脚のベンチが並んでいるが、果たして次に利用者で埋まるのはいつの日になるだろうか。列車が来なくなって一年、ホームは錆びつき、草で覆われはじめている。

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鉄道・旅行ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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