広島県には山の中で「クジラウォッチング」が出来る場所があるってホント!?
はらぺこライターの旅人間です。今回は広島県庄原市にある穴場スポットの紹介です。それは山の中で「クジラウォッチング」が出来る場所。スゴイでしょ!
ところで、庄原市ってドコにあるか知っていますか?
庄原市は広島県の北東部に位置し、周囲には標高1000メートルを超える山々に囲まれた自然豊かなトコロ。こんな場所にクジラが…?信じられませんね。
庄原市に”クジラウォッチング”へ行こう!
実は、クジラウォッチングが出来るのは「比和自然科学博物館(地学分館)」の館内。そして生きたクジラでなく「クジラの化石」展示です。
「なんだ、それ…」と思ったソコのあなた!
よく考えてみて。なぜ…この庄原でクジラの化石が見られるのか?答えは一つ。この庄原市でクジラの化石が発掘されたから。つまり、ここは海だった。これってスゴイ事だと思いませんか?だって、日本地図を見れば一目瞭然ですが、ここは中国山地のど真中ですよ。
今から約1600~1500万年前、現在の庄原市と三次市のある広島県北部一帯や山陰の松江市の辺りまでの一帯は海底だったという。
そして、対馬海峡から暖流が流れ込み、この辺りの海辺にはマングローブ林が繁っていたそうだ。現代の我々からは想像できませんね。ちなみに、クジラの化石はこの頃に堆積した地層から産出されたとのこと。
庄原市と言えば、西日本で最も気候が寒冷な地域の一つ。市北部は豪雪地帯にも指定されています。知っている者からすれば驚きは強いはず。
亜熱帯の海も1500万年前に近づく頃、地球規模の寒冷化がはじまり、この辺りは温帯の海へと変わりサメが泳ぎ回る海へと変わっていったとか。
尚、館内ではショウバラクジラなど、庄原市で発見された4種のクジラの化石を展示されています。
その展示の中心にドーンとあるのが「ペロケタス属の一種」。案内によると「この化石標本はほぼ全身が保存されている」とのこと。
クジラの化石はあおむけ状態で発見されることが一般的、ところが、この化石標本はうつ伏せ状態で発見されたそう。これは極めて珍しいのだとか。しかも、今まで記載されたペロケタス属の標本とは異なる形質を備えており、新種の可能性も高いと考えられているというから、ますます驚きですね。
そして、化石標本から再現されたクジラのオブジェも迫力満点だ。
「クジラウォッチング」と言えば、海の上から迫力満点のクジラたちの豪快なパフォーマンスを観察するのが一般的です。ここは臨場感ある体験型アクティビティーと真逆になるが、太古の歴史に遡って思いにふけるのも魅力である。
尚、クジラ以外にも、当時の環境を物語る様々な化石を展示されている。例えば、アジア初の化石発見となった最初のイヌ型動物「セングリニアの化石」や日本で唯一みられる「真珠の化石」もある。
ちなみに、広島県庄原市といえば1970年代、謎の類人猿「ヒバゴン」で話題になった場所。他にも色々と不思議なモノに出会えるかもしれませんよ。
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比和自然科学博物館(地学分館)
住所:広島県庄原市比和町比和1119-1
電話番号:0824-85-3005
開館時間:9:00~17:00
一般(高校生以上):310円
中学生以下無料
庄原市役所の公式ホームページ(外部リンク)
地図(外部リンク)