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大人の日帰りウォーキング 遠出しない秋のウォーキング 街中を穏やかに流れる川に沿って1日8km歩く旅

わか子ライター
目黒川河口 東品川海上公園

休日の朝、自宅を出発して最寄りの駅へと向かう。自分が思っていた時間よりも少し遅くなったけれど、今日は遠出をする訳でもないし、誰かと待ち合わせている訳でもない気楽な1人旅。ゆっくり行こうか。

途中で電車を乗り換えながら1時間かからずに目的の駅に着く。少し歩くと今日のスタート場所である東品川橋に着いた。

東品川橋は目黒川に架かる橋。しかし、この辺りは埋め立てされている場所なので、実際の目黒川の河口は何処になるのか解らないけれど、地図で確認すると現在での河口はこの辺りで良いのではないかと思った。

目黒川に沿って歩いてみよう。
東京都心の南西部にある世田谷区、目黒区、品川区を流れる目黒川。東京へとつながる各種交通機関を横切るように流れている川の長さは約8kmであり、お天気が良い日の散策するちょうど良い距離でもある。
川沿いは歩きやすく歩道が整備されており、途中に立ち寄りたいスポットもあるので、1日を十分に楽しめるコースになりそうだ。

目黒川 東品川橋より
目黒川 東品川橋より

スタート場所の東品川橋のそばにきれいに整備された大きな公園がある。この公園だけでもゆっくり過ごせそうだと思うけれど、今日は日帰りウォーキングだと思い直し、公園に降りて目黒川に沿って歩き進む。穏やかに流れる目黒川の川面を眺めると清々しい気分になる。

しばらく歩くと、見覚えがある景色が見えてきた。この辺りに来た事あったかなと、脳内の記憶を探しながら辺りを見渡す。この場所に架かる橋の名前は品川橋。歩きはじめた時の橋が東品川橋だったので、この橋がメインの端だろうなと思っていると、思い出した!ここ辺りは旧東海道で品川宿だった。

品川橋 旧東海道品川宿
品川橋 旧東海道品川宿

子育てを卒業する頃より歩く旅を始めて楽しんでいる。登山や街歩きもするけれど、江戸時代に造られた五街道歩きも楽しんでいる。旧東海道も歩いており、日本橋を出発して最初の宿場である品川宿であるこの場所は、当然歩いたことがあった。この先にある和菓子屋でお稲荷さんを買って公園で休憩したのを思い出した。あの時に渡った川が目黒川だったのか。

品川橋より先に進むと美しい赤色の橋が見えてきた。橋は鎮守橋と言われており、その先にある荏原神社へと向かっている。穏やかに流れる目黒川に赤色の美しい橋、神社の緑が青空に良く映えて、何とも言えない美しさがある。

荏原神社 鎮守橋
荏原神社 鎮守橋

目黒川は先に進むにつれていろいろな交通機関を横切っていく。
京急本線と国道15号(第一京浜)を渡り、先に進むとJR東海道本線と上野東京ライン、京浜東北線が併走する高架下を潜り抜け、その先で東海道新幹線、横須賀線、山手線が併走する高架下を渡る。JRの首都圏主要線路が沢山走っている事に加えて電車の本数も多いので、いろいろ車両が観られるのも嬉しい場所である。
一番の見どころは東海道新幹線だろうか。新幹線の停車駅でもある品川駅までほど近いこの辺りでは新幹線もゆっくり走っており、高架の上を走っていく新幹線の姿をゆっくりと楽しむことが出来る。

東海道新幹線の高架下を潜る
東海道新幹線の高架下を潜る

目黒川の河口から、この先にある大崎駅までの約2kmの区間の目黒川の地下には首都高中央環状線の山手トンネルが通っている。川沿いウォーキングをしていても、この地下に高速道路でもあるトンネルが通っているとは思えないような静かな場所であるが、日本で一番長い道路トンネルの上を歩いていると思えば不思議な気分になる。

日本で一番長い道路トンネルでもある山手トンネルは、世界で一番長いノルウェーにあるラルダールトンネル(24.5km)に次いで2番目の長さであり、東京都豊島区高松から首都高速道路大井JCTまでの18.2kmある。
日本で長いトンネルと思えば、関越トンネルを思い浮かべる人が多い。関越トンネルは、2015年に山手トンネルが出来るまで日本で1番長い道路トンネルであり、長さは約11km。現在は山手トンネルに次ぐ日本で2番目に長い道路トンネルであるが、近い将来、東京外環トンネルが完成すると、その長さは約16kmであり、関越トンネルは3番目になってしまう。

大崎駅が近くなってくると大きなビルが立ち並ぶようになってきた。周辺を散歩する人の姿も多くなり、大きな街であることが良く解るが、駅の裏側になる目黒川沿いは何だか落ち着いていて心地よい。
すぐそばにある公園の遊具の新幹線がJR東日本を走っている新幹線の色合いをしているのに目が留まる。この辺りでは東海道新幹線の方が親しみあるのではないかと、何だか突っ込みを入れたくなったが、通りがかりのおばさんに、妙な言いがかりをつけられる新幹線の遊具にとっては、はなはだ迷惑な話でもある。

おばさんに言いがかりをつけられた新幹線の遊具
おばさんに言いがかりをつけられた新幹線の遊具

目黒川と言えば春になると満開の桜並木を楽しめる場所として有名であり、その桜の花が川面に写り込むと共に、淡いピンクの花びらがひらひらと川に降り注ぐ景色も美しい。
川沿いには多くの桜の木が植えられており、その木漏れ日の下を歩くのも気持ちが良い。これから冬が近づくと、桜の葉も色づいてくるのだろう。

川沿いを歩き進んでいると、突然ポップな色合いの可愛い絵がかかれたトンネルをくぐる。何のトンネルかと思えば、その上には山手線や埼京線、湘南新宿ラインが走るJRの線路だった。
あれ、山手線は少し前にくぐったよね。
東京湾の目黒川の河口から歩いてきている私は東海道新幹線の高架下を潜った時に山手線も同時に越えているので、一度山手線の内側に入り、今回は山手線を内側から外側に抜けているのが解った。この辺りはJRのお膝元のような場所のようだ。

JRの線路を越えた先は五反田駅。先程潜ったJRの路線は五反田駅へと繋がっているのを眺めていると、あれ、何か他の路線が斜めに出ている。スマフォを開いて確認すると、JRの上を高架で斜めに出ていくのは東急池上線の電車。五反田が始発であることを知らなかった。

JR・東急池上線五反田駅
JR・東急池上線五反田駅

五反田駅を過ぎるとすぐ先に片側三車線の大きな通りを渡る。大きな道路だなと思いながら見ていると、なんと国道1号線ではないか。JR五反田駅のホームの下を潜るように進むとその先は、江戸時代に造られた五街道の起点でもある江戸東京日本橋へと続いている。そして、西へと進めば京都を経て大阪。大阪までとは、かなり遠い。
目黒川沿いをさらに歩き進んで行くが、この先で寄り道をすることにしている。川沿いの路から西へ曲がり、地図を確認しながら歩き進んだ。

今回歩いているコース 約8km

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ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く旅の楽しさをお伝えしたいと思っています。

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