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大人の日帰りウォーキング 天空の公園から景色を楽しみ、休憩して食べるおやつも美味しい1日8km歩く旅

わか子ライター
目黒天空庭園(目黒区大橋)

今日の歩く旅もそろそろ終盤になってきた。これまで歩いた距離は6km程にもなり、お約束通りで足にも疲れが出てきている。いつもの事だけれど。

都心近くの住宅街を流れる目黒川を、河口から上流に向かって歩き進んでいる。川に架かる橋も美しく、橋の上から眺める川の流れも穏やかで心地よい。
川沿いには遊歩道が整備されているので歩いやすいコースではあるが、時折そのまま進めない場所もあり、どのように先へと歩き進もうかと考えながら歩くのも、それはそれで楽しかった。

中目黒を過ぎるころにはおしゃれなお店が立ち並び、川沿いを散策している人も多くなり賑やかになってくる。川沿いにガラス越しで面する席があるレストランや、テラス席があるカフェは、どう見てもおしゃれとしか言いようがない。昼下がりの時間をお店でゆっくりと過ごしている人がいる前の遊歩道を、帽子を被りリュックを背負ったおばさん1人で歩いて行くのは少し恥ずかしいと思うけれど、相手は私が思う程も気にしてはいないと、自分に言い聞かす。遊歩道の脇にあるお地蔵様の穏やかなお顔を見て心が和む。お地蔵様の写真を撮ろうとすると、ちょうど電信柱が真ん中に移ってしまい、何だか解らない写真になってしまった。少し残念。

目黒地蔵尊と電信柱
目黒地蔵尊と電信柱

中目黒を過ぎた頃より人が増えてきていたが、先へと進むと人だかりと行列が見えてきた。
こんな場所に行列ができるお店があるのか​​。
不思議に思いながら遊歩道を歩き進むと、店前には警備員まで立っている。そして、ぼーっと歩いている私に向かって言った。
「車が通りますので、脇に寄ってください」
一方通行ではあるけれど、この辺りは車も通行できるらしい。そそくさと道の端に寄りながら、行列の先にある建物を見上げる。木目調で直線のデザインがとても美しい建物であり、川沿いの景色に馴染みながらも、お互いがお互いをより一層引き立てているように感じる。洗練された建物という表現がぴったりな建物だ。

STARBUCKS RESERVE(R)ROASTERY TOKYO(目黒区青葉台)
STARBUCKS RESERVE(R)ROASTERY TOKYO(目黒区青葉台)

改めて建物をよく見ると見慣れないロゴマークがあり、その下にスターバックス リザーブ ロースタリーと書かれていた。スターバックスで世界5番目の出店であり、焙煎機を備えた高級店とある。
スターバックスの、それも高級店か。
日頃よりカフェに立ち寄る習慣もないし、私にとっては普通のスタバでも高級店の扱いである。もちろん1人でスタバに入ることは極めて稀であり、数年前に子どもに連行されて軽食で立ち寄ったのが最後だと思い出す。そんな、おばさんの生態が少し残念でもある。そんな私でも、スタバの華やかなメニューやおしゃれな雰囲気には、やっぱり少し憧れはある。

人混みを抜けた先でマイボトルのお茶を飲み一息つく。少し、お腹が空いてきた。今日は、おやつにサンドイッチを持って来ている。お腹はサンドイッチの受け入れOKと叫んでいるが、もう少し先にある公園まで歩く事にする。

この先には、目黒天空公園という公園がある。何が天空なのかと言うと、公園が建物の上にある屋上庭園。そして、何の建物の上にあるかと言うと、高速道路のジャンクションという、とても珍しい公園なのである。是非ともこの公園には行ってみたいと思っている。
目黒川沿いを歩きむとようやく目黒空中庭園の楕円形の建物が見えてきた。これか…。

目黒天空公園 目黒川沿いより
目黒天空公園 目黒川沿いより

建物の内部にどこから入れるのかが解らず、建物の周りを歩いて、国道246号に架かる歩道橋からの連絡道路を見つけた。後で気付いたのだが、目黒川沿いからでも建物の内部に入り、エレベーターで天空庭園に行くことが出来た。

この場所は、首都高速道路3号渋谷線と中央環状線が交わる大橋ジャンクション。高架になっている3号渋谷線と地下を走る中央環状線の間には高低差があり、それを少ない敷地面積で解消するためにループ状のジャンクションが造られている。建設計画では住民のニーズや環境対策も盛り込まれて緑地化されて公園が造られていると共に、騒音対策も施されている。
どう見ても高速道路のジャンクションには見えないかな。
首都高大橋ジャンクションは地下からの高低差約70mで、1周400mを2回転して通過できるようになっている。その屋上にある目黒天空庭園は地上11mから35mの高さであり、園内の距離は高速道路の一周と同じ約400mになっている。

公園に入ると、木々が生い茂るとても緑豊かな場所であり、音も静かで、とても高速道路の屋上とは思えない。青空と緑が美しいと感じながら、楕円形に帯状に整備されている園内を歩き進む。
周辺は東京都の再開発地域でもあり、ジャンクションや周辺の公園の整備と共に、超高層型のタワーマンションも2棟建設されている。
庭園の最高場所の近くは展望台のように整備されており、周辺を一望できると共に、天気が良い日には富士山も見る事ができる。

さらに先に進むとフェンスの向こうにはグルグルとジャンクションを通り抜けた車や、これから入っていく車が通るトンネル型の高速道路が建物から穏やかに伸びており、本線に合流しようとする様子が見えた。車の出入口である。こんな光景が見られるのも、ここにしかない楽しみの一つである。

建物より高速道路へ合流に向かう道路
建物より高速道路へ合流に向かう道路

休憩しようか。
太陽が西に傾き始め、東京の空は夕暮れに向かっている。小さな子供連れのご夫婦や、散歩されている初老の男性や、ベンチで休んでいる人。園内は混みあう感じは無く、誰もが都会にある天空のオアシスの中でゆったりとした時間を過ごしている。吹いてくる風が頬に当たると心地よく、木々や草花が揺れる音を聞くと、より一層静けさが増すように感じる。
ベンチに座り、持参したサンドイッチを取り出す。定番のタマゴサンドとツナサンド。スーパーで買ったサンドイッチは、ふわふわのパンにマヨネーズ味が効いて、シンプルだけれどとても美味しい。お茶を飲んで一息ついた。

目黒川の起点は、この場所より600m先にある北沢川と烏山川の合流点にあるが、国道246号を渡る場所から暗渠化されている。その地上は緑道に整備されており、人工の川が流れてコイが気持ちよさそうに泳ぎ、周辺は草花が咲き誇る気持ち良い遊歩道になっている。

ここまで来ると、やっぱり目黒川の起点まで足を運びたくなる。

目黒川 起点碑
目黒川 起点碑

目黒川の起点を示すオブジェの写真を撮り、自己満足の世界にどっぷりと浸る。河口から歩いてきた自分の頑張りが肯定されているようで嬉しい。そして思う、私だってやれば出来るじゃないか。楽しかった。足は疲れたけれどね。

目黒川緑道を国道246号に戻りながら、帰り道をどうしようかと考える。最寄りは東急田園都市線の池尻大橋駅で渋谷駅から1駅か。246号を歩けば渋谷に行けるから、もう少し渋谷まで歩こうか。

今回歩いたコースはこちら 1日約8km

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ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く旅の楽しさをお伝えしたいと思っています。

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