大人の日帰りウォーキング 珍しい博物館に寄り道を楽しみながら、穏やかな川沿いを1日8km歩く旅
公園でお昼を食べて休憩をしていた。お天気が良いので、青空を眺めているのが気持ちよいけれど、そろそろ午後の部を歩こうか。
子育てを卒業する頃より歩く旅を始めて楽しんでいる。江戸時代に造られた五街道歩きや、登山やハイキングに出かけることもあるけれど、今回歩いているのは東京都心の西側を流れる目黒川沿い。約8kmの長さである目黒川を河口から上流に向かって歩いてきているが、少し寄り道をして目黒不動尊にお参りをし、裏にある不動公園で休憩と青空ランチをしていた。
これから向かうのは、このコースの中で目黒不動尊と共に楽しみにしているもう一つの場所、目黒寄生虫博物館である。
目黒寄生虫博物館は寄生虫に関する研究や展示などを行う世界でも珍しい博物館。初代館長であり医師の亀谷氏が私財を投じて1953年に設立されている。
今の時代、日本で生活していると寄生虫と聞いても身近に感じる機会は少ないかもしれないが、以前から見てみたいと思っている寄生虫がある。
アニサキス。魚介類に寄生するアニサキスを生のままで食べ、胃の壁に突き刺さることで発症するアニサキス症。これまで感染したことは無いけれど、切り身で売られている魚でも目視で見つけられることがあると聞いた事があり、一度本物を見てみたいと思っていた。
館内はそれほど広くはないが、数多く並べられている展示物に圧倒される。寄生虫の展示物がずらりと並ぶ光景を観る機会はないので、かなり貴重な体験でもある。気持ち悪いと感想を持つ方もいるかもしれないが、これはこれで凄い光景だと思う。標本の展示と共に、説明を読みながら歩き進む。
お目当てのアニサキスを発見。これがアニサキスか。細長くてウニョウニョしており、あまり気持ちが良い物ではない。マグロの胃袋の中で群生しているアニサキスの標本もあり、これはさすがに微妙である。集合体恐怖症では視界に入れたくない衝動に駆られてしまう光景かもしれない。
おや、これも初めて実物を見る寄生虫だ。昭和の時代にお尻にぺったんした蟯虫(ぎょうちゅう)検査。丸が書かれた青いシートが懐かしい。小学校低学年の頃には毎年のように検査があったように思うけれど、本物を見たのは初めてだ。
そして、ダニや疥癬と身近に感じる寄生虫を見学し、寄生虫館の見所でもあるサナダムシを見る。これが人間に寄生するのかと、実物を見るとやっぱり凄い。目線の高さで九十九折に展示されているサナダムシの標本の長さは8.8mと驚きの長さだ。こんな寄生虫が人間の体の中にいるだけでも凄いのに、途中で切れないで取り出せたのも凄いと思う。
館内にはミュージアムショップもあり、サナダムシTシャツやアニサキスキーホルダー、寄生虫のイラストが描かれているトートバック等が販売されている。見ているのはとても楽しいけれど、ここでしか買えないかなり珍しいお土産になると思う。アニサキスキ-ホルダーを買おうかな。
目黒寄生虫館を出てからは、目黒駅へと向かう人の流れの中を歩き、途中から目黒川沿いを上流に向かっていく。
桜で有名な目黒川であり、大きくて立派な枝を伸ばしている桜並木の下を歩き進む。桜の季節は美しいだろうなと、思いながら歩いていると何気なく見たバス停に目が留まる。
目黒区コミュニティバスの名前はさんまバスだ。
目黒と言えばさんまが有名だけれど、こんなところにもさんまの名前が使われていた。江戸時代にお殿様がこの地に鷹狩りに来た時、庶民が食べていたさんまを食べて美味しさに感激し、さんまは目黒に限るとご満悦したと言う落語。近年、さんまは不漁で値段が高くなり、庶民の魚とも言えない事もあったが、今年はそれなりのお手頃価格になっているように思う。そんなことを考えているとさんまが食べたくなってきた。帰りに買って帰ろうかな。
川沿いの遊歩道を歩いていると、所々にベンチが整備されている。穏やかな日差しの下でまったりと休憩をすると気持ちよさそうだ。
駒沢通りを歩道橋で渡り、中目黒駅の高架下を潜り抜けて先へと歩き進んだ。
今回歩いているコース 1日約8km
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