天六の駅近で新感覚の十割蕎麦が味わえる！

　今回紹介したいお店は、個性的な十割蕎麦が味わえるお店です。「個性的なそば屋？」と聞くとなんとなく、“頑固オヤジがいいそば粉が入らないと営業をしない。少量だけ作る幻の……”などと想像されがちですが、今回は真逆。十割蕎麦のハードルを下げてくれる個性的なお店です。

　お店があるのは、多彩な飲食店がそろう天六。天神橋筋六丁目駅の①出口から徒歩1分ほどの好立地にある飲食ビル「TEN ROCK」にあります。

　こちらが今回おすすめしたい「石臼挽き十割蕎麦 八」。2021年11月1日のオープンですが、ちょうどオープン1年を過ぎた昨年12月頃からハマり、月に1〜2回のペースで訪問しています。

　和テイストながらコンクリート打ちっ放しでスッキリとした店内は、奥に長い構造。テーブル席のほか、カウンター席もあります。

人気うどん店「き田たけうどん」がプロデュース！

　「石臼挽き十割蕎麦 八」の名物が十割蕎麦。和蕎麦の世界でスタンダードなのは20％が小麦粉で80％そば粉の二八蕎麦。これはそば粉だけでは粘度が足りず麺として成形しづらいことから粘度の高い小麦粉をつなぎとして混ぜることで、名店や高級店でもごく普通のことです。

　技術が必要でコストもかかるのが十割蕎麦。だからといって十割が必ずいいというわけではなく、それぞれのよさや好みもあり、十割蕎麦と二八蕎麦のどちらがおいしいのかという議論は江戸の昔から続いています。

　こちらの店をプロデュースしたのが、なんばの超人気うどん店「き田たけうどん」。最新のミシュランガイドに掲載されたことからお店は連日行列になるほどの人気ぶりです。店主・木田さんは前身である「釜たけうどん」から数えると20年を超えるベテラン職人。大阪に讃岐うどんを広めた立役者して業界では知らぬ人がいない存在です。

　その木田さんが、うどんを作る上で浮かんだアイデアを蕎麦に生かしたのが、「石臼挽き十割蕎麦 八」の十割蕎麦です。蕎麦打ちの工程を分析し、“昔からの技と現代のテクノロジーを融合”したそうで、機械が得意な部分を受け持つことで、蕎麦業界で重要視される、ひきたて、打ち立て、茹でたてのいわゆる“三たて”の蕎麦を提供しています。

　こちらで注目したいのが、価格。最近は1,000円超えを見かけることも多くなった十割のざるそが680円というのは良心的。また、メニューバリエも豊富です。

【冷たいおそば】

ざるそば 680円／すだち漬け汁そば 880円／梅ぶっかけおろしそば 780円／とろろぶっかけそば 880円／二代目HACHI 880円／竹玉天ぶっかけそば(温・冷) 880円／舞茸天ぶっかけそば (温・冷) 880円／鶏天ぶっかけそば (温・冷) 880円／天盛りざるそば 1280円／鴨付け汁蕎麦そば 1480円

【温かいおそば】

かけそば 680円／梅卵とじそば 780円／梅みぞれそば 780円／とろろそば 880円／かすそば 880円／カレー南蛮そば 1000円／天盛りかけそば 1280円／鴨南そば 1480円

ざるそば 680円

　そばに、カツオの風味を感じる少し甘めの味付けのつゆと青ねぎ、わさびが付きます。

　十割蕎麦といえば、基本的には表面がざらざらとしていますが、こちらの麺は真空ミキサーと急速冷凍の技術を使うことで、ツルリとした質感。また、コシがありのど越しがいいのも特徴。香りの良さは十割ならでは。

　食べ終わりには、そば湯が出されます。

二代目HACHI 880円

　讃岐うどんの名手が手がけていることもあり、ぶっかけメニューが充実。

　店名を冠したそばは、納豆、大根おろし、タマネギ、ミヨウガ、青ねぎ、花鰹、刻み大葉、刻み海苔がトッピングされたぶっかけ。　

　薬味好きにはたまらない華やかな一杯で、クセになる味わいです。

冷たい とろろそば 780円

　大和芋と長芋のとろろと卵黄のぶっかけそば。花鰹、刻み海苔、青ねぎも一緒にのせられます。大和芋を使うことでどっしりとしたとろろは食べ応えがバツグン。

竹玉天ぶっかけそば（冷） 880円

　讃岐うどんでは定番の竹玉天ぶっかけ。そば屋さんで食べることができるのは珍しいと思います。

　玉子は半熟で、甘めのつゆに溶けだすと最高の味変になります。

ドリンクやおつまみメニューも充実！

　行列人気のランチもいいのですが、おすすめなのが夜。アルコールが充実しています、

　瓶ビールがサントリーのプレモルではなく、最近置いている店が極端に減っている「ザ モルツ」なのが、かなり好印象。。

　また、日本酒もたくさんそろえています。

　訪問した日は希少な「而今（じこん）」がありました。

　もちろんというか、おつまみもたっぷり用意。

　こちらは「ちょい呑みセット」。アテ盛3種とドリンク（生ビール・ハイボール・サワー・日本酒から１つ）のセットで1000円。アテ盛はポテサラや梅水晶など、内容は日替わり。けっこういい盛り具合です。

　蕎麦出しのおでんも常時7種以上そろえます。写真は黒毛和牛筋240円、厚揚げ130円、玉子130円、大根は小ぶりだったらしく2つで180円。上品な味ですが、しっかりしみていました。

　蕎麦のトッピングにもできるのでバリエ豊富なのが、13種そろえる天ぷら。写真はレンコン180円とちくわ180円。

　ほかに、本日のおすすめも。

昼も夜もお手ごろ価格で十割蕎麦が楽しめる！

　コスパがよくて、コシがありのど越しのいい十割蕎麦は、食べる価値あり。季節限定のメニューなども用意されているのでそば好きにもおすすめです。また、そば屋さんに敷居の高さを感じているのであれば入門用として訪問してみるのにぴったりです。落語にあるような、そば屋で飲むのを体験してみてはいかがでしょうか。

お店のInstagram

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