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【大阪市・天満】伝説の名人に学んだ店主が作りあげただしや麺の旨さに圧倒される希少な正統派の大阪うどん

高田強編集者・ライター・広告ディレクター(大阪市)

大阪うどんの第一人者に学び、さらなる旨さを追求するうどん店!

 讃岐スタイルが席巻し、最近少なくなったのが大阪うどんのお店。「大阪うどん・そば てんま」は、自家製の麺やだしで大阪うどんを守る希少な存在です。先代の山崎さんは、きつねうどん発祥の店として知られる「松葉家(現うさみ亭マツバヤ)」の2代目である宇佐美辰一さんのもとで修業。名著とされる「きつねうどん口伝」のほか、コミック「美味しんぼ」に登場した大阪うどんの第一人者の下で大阪うどんの基本を学び、独立後はメニューを独自に進化させてきました。現在は山崎さんの指導のもと、後継者が味を守り続けています。お店があるのは、南森町駅から北西へ徒歩4分ほど。堀川戎神社から阪神高速道路を挟んで斜め向かいです。

 うどん店らしい、少し民芸調ながらもスッキリ明るい店内。お昼時は周辺の会社員などでにぎわいます。

「昔は、ゆでおき麺の店が多かったから大阪うどんはコシがないと思われがちですけど、本当の麺はそんなことないんですよ。うちの麺を食べていただければわかります」と中力粉にこだわる自家製麺は少し細めながらもっちり感があり、のどごしもバツグン。しっかり圧延することでほどよいコシが生まれています。ちなみに、麺の特徴を引き出すため、ゆでる釜なども特注。

 だしには真昆布と、数種類の節を組み合わせたカツオを使っています。ポイントは熟成。あえて低温で寝かせることでカツオの旨み成分であるイノシン酸を最大限に引き出しています。昆布のグルタミン酸とカツオのイノシン酸が合わさることで、たし算ではなくかけ算的に旨味が増幅。このバランスの良さもてんまのだしの魅力のひとつです。

麺、だし、それぞれのおいしさを実感できるきつねうどん

きつねうどん 900円 

 おすすめしたいのは「きつねうどん」。細めながらもっちりとした麺の食感と、力強さと上品さを併せ持つだしのおいしさをそれぞれ感じる事ができます。

 麺と一緒にすすり上げただしのいい香りが鼻から抜けていくのは、まさに快感。

 だしに甘い旨味を加えるのが、豆腐店に特注する手揚げのうすあげ。肉厚なあげを甘辛く炊いたきつねは、サイズも大きめで食べ応えも十分です。

カレーおじやうどん 1,300円

 店の名物といえるのが、「カレーおじやうどん」。「カレーうどんに、ごはんを入れているお客さまがいらっしゃったことから試してみたらおいしかったので」という、もともとあっただしにうどんとごはんが入った「おじやうどん」に、カレーを組み合わせた個性的なメニューです。

 水溶きではなく、だし溶きの片栗(かたくり)を使うなど細かな仕事が光ります。

 カレーは辛さ抑えめで、だしをしっかり感じさせます。牛バラ肉や玉ねぎ、きざみあげ、白ネギ、カマボコと具だくさん。こだわりのたまごも加わり、おなかいっぱいになります。

大阪うどんのおいしさを再発見できる!

 濃厚なだしは、口の中に広がる旨味だけでなく、香りも最高。麺を食べたあと、もったいなくて最後の一滴まで飲み干してしまう余韻のよさで、ていねいに作られた大阪うどんのおいしさを実感させてくれます。大阪が生んだ文化を食べるだけで体験できる一杯。メニューも多彩に用意されているので、ぜひ体験してみてください。

大阪うどん・そば てんま
住所/大阪市北区末広町1-14 アクティ南森町1F 


電話/

06-6315-1114
営業時間/11:00~14:00、17:30~20:00(L.O.)
休日/日曜※月1回程度の臨時休業あり
席数/26席
交通/OsakaMetro南森町駅徒歩4分、JR大阪天満宮駅から徒歩6分

お店のX

編集者・ライター・広告ディレクター(大阪市)

関西ウォーカー、SKYWARD(JAL機内誌)、おとなの週末などの雑誌やwebサイトで、関西圏の飲食店やエンターテイメントについて、記事を書いています。ほかに、電鉄、食品、製薬会社、商業施設、テレビ局発行のフリーペーパーなども製作。カンテレ「よーいドン!」やMBS「魔法のレストラン」などのテレビ番組のグルメ情報コーナーでのコメント出演をちょくちょくしています。

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