楽天SPU変更 新NISAにどう影響するか
楽天が12月1日からポイント還元プログラム「SPU」のルールを大幅に変更することが話題になっています。
ポイントと投資が結びつく中で、タイミング的には2024年から始まる「新NISA」との兼ね合いも気になるところ。どのような影響があるのか考えてみます。
ポイント増なら投資にもプラス効果か
今回の変更をざっくり言うと、楽天モバイル契約者の倍率を高めることで優遇するという内容です。その中で、獲得できる上限ポイントの引き下げが特に注目を集めているようです。
この影響を大きく受けるのは、楽天市場で多額の買い物をしてきたヘビーユーザーです。そうした人々からは反発の声が上がっているものの、楽天の試算では8割以上の人が獲得ポイントが増えるか、または変わらないとしています。
楽天モバイル契約者向けの案内では、楽天市場のダイヤモンド会員以外のユーザーが月に5万円(税抜)の買い物をした場合、獲得できるポイント数は変更前が1500ポイント、変更後が2500ポイントとの例を挙げています。
このように獲得できるポイントが増えた場合、経済圏の中での買い物やサービスの利用が増えるというシナジーを期待できます。それに加えて、近年はポイントを投資に回すという傾向も進んでいます。
SPUによって主に付与される「期間限定ポイント」は直接投資には使えないものの、毎月のスマホ料金や「楽天ペイ」での支払いに充当することで、そこで浮いたお金を別の用途に回せるというわけです。
新NISAでは枠が広がることもあり、それに応じて我々の収入も上がってほしいところではありますが、なかなかそうもいかないのが現実です。これから先、ポイントに期待する人はさらに増えるのではないかと筆者は考えています。
特定銘柄で「投信残高ポイント」が復活
楽天証券はポイント還元の強化を続けており、6月からは投資積立のクレジット決済において、買い付け時のポイント還元率をカードのグレードに応じて引き上げています。
さらに、投資信託の残高に応じてポイントを還元する仕組みは2022年4月に終了したものの、10月から新たに「復活」しています。
対象は楽天ブランドの低コスト投資信託2銘柄で、どちらも2023年10月に設定されたばかりで未知数の部分はあるものの、SBI証券や松井証券に対抗してきたのは歓迎したいところです。
クレカ決済は月10万円化に向けた動きがある中で、楽天証券ではオンラインの電子マネー「楽天キャッシュ」と組み合わせることで、合計で月10万円の積み立てまでポイント還元に対応しています。
楽天キャッシュのチャージには、コンビニで買えるPOSAカード(あるいはモバイルPOSA)や、楽天Edyを利用できることから、他社の決済手段と組み合わせた場合に追加のポイント還元も期待できます。
こうした特徴を見ていくと、ポイントを活用した資産形成に取り組む上で、楽天経済圏が最も有利な選択肢の1つであることは変わっていない印象を受けます。
この機に乗じて楽天ユーザーの取り込みを図る他の経済圏の動きにも期待したいところではありますが、ポイントのルールが変わるたびに経済圏を乗り換えていては手間のほうが大きくなります。
経済圏を選ぶときには「長く付き合えるかどうか」という視点で検討するのが良さそうです。