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空前のスケールで行われる2026北中米W杯。難しくなった将来の日本単独開催と問われる森保監督の覚悟

杉山茂樹スポーツライター
オープニングマッチを行うアステカ・スタジアム(写真:ロイター/アフロ)

 2026年北中米W杯。緯度で見ると北からカナダ、アメリカ、メキシコの順に並ぶ。W杯の長い歴史の中で初めて行われる3ヶ国開催。取材観戦する側にとって大変そうに感じるのはそれぞれの国をまたぐことになる移動だ。

 イメージするのは縦移動。カナダからアメリカを挟んでメキシコに行くのは大変そう。その逆もしかりで、真ん中のアメリカに拠点を構え、必要に応じてメキシコ、カナダに移動することが旅行の常識的なスタイルに見える。

 だが、先日発表になったW杯本大会の日程表を眺めていると、認識を新たにさせられることになった。

 地域の区分けがカナダ、アメリカ、カナダという国単位ではなく、西、中央、東だったからだ。西=バンクーバー、シアトル、サンフランシスコ、ロスアンゼルス。中央=グアダラハラ、メキシコシティ、モンテレイ、ヒューストン、ダラス、カンザスシティ。東=アトランタ、マイアミ、トロント、フィラデルフィア、ニュージャージー。

 基準は時差だ。西地区は日本との時差は16時間、中央地区は14時間(アメリカ側)と15時間(メキシコ側)、東地区は13時間。

 グループリーグの3試合(計6試合)を、地区をまたがないで試合をするグループは全12組中の7組。グループリーグで最もキツい移動をするのはB組を戦う共催国のカナダで、初戦をトロントで戦った後、2戦目の地であるバンクーバーに向かう時差3時間の移動だ。

 時差2時間の移動を強いられる可能性がある組は3つ(A、H、J)。時差1時間の移動がある組は1つだ。地球の横移動は縦移動より辛いのだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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