精米機ごとコメ捨てる人も・・・ごみ清掃員のマシンガンズ滝沢さんが実践する「ごみゼロ(530)」とは?
5月30日は「ごみゼロの日」。
ごみには関心がない人がほとんどだろう。ごみの日に出しておけば、ごみ収集車が持っていってくれるもの。
筆者もごみ問題など全く興味がなかった(申し訳ないが・・・)。しかし食品メーカーを辞めてフードバンクの広報を担当し、その後も食品ロスの問題に関わっていると、全国から講演を頼んでくる部署の方が、皆さん、「ごみの人」なのである。「ごみの人」は語弊があるが、ごみ(廃棄物)の処理や削減の施策を担当している、都道府県や市区町村など、地方公共団体の廃棄物担当部門の方がほとんどだ。
そんな流れから、廃棄物資源循環学会で、規格外農産物のロス削減について発表したりしているうちに、だんだん「ごみ」について関心を持つようになっていった。
なにしろ、燃やして処分するごみのうち、生ごみがおよそ40%以上を占める場合が多い。ごみ削減の先進自治体である京都市の調査(平成29年度)では、生ごみが41%を占めている。
京都市の調査では、生ごみの食べ残しのうち、45%以上が「手つかずの食品」、まだ食べられるのに捨てられる食品(食品ロス)が占めている。
ごみを減らすことは、食品ロスを減らすこと、でもあるのだ。
マシンガンズ滝沢さん「精米機ごと、米が捨てられていたことも・・・」
「ごみ」に関心がなかった人たちを、一気に惹きつける役目を果たした一人が、お笑い芸人でごみ清掃員の、マシンガンズ滝沢秀一さんだ。
2018年9月、ラジオのJ-Wave(ジェイ・ウェイブ)の番組に滝沢さんが出演し、著書『このゴミは収集できません』(白夜書房)を紹介していた。
筆者も読んだところ、あっという間に読めるほど面白く、記事とツイッターで紹介したところ、滝沢さんご自身が見つけて声をかけてくださった。
それがきっかけで、2018年12月の東京都港区主催の筆者の講演に滝沢さんが聴きに来てくださった。
そのあと、筆者も滝沢さんにインタビューさせて頂き、おせちやメロン3個が家庭ごみから出てくる現状や、食料自給率が低いのに廃棄する日本のあり方について、記事にまとめた。
なんと、精米機ごと、コメを家庭ごみで捨てている人もいた、と言う。
2019年4月の記事では、滝沢さんは「フードロスの問題がいちばん気になる」と答えている。
滝沢さんは、奥様の友紀さんが漫画を描いた二作目『ゴミ清掃員の日常』(講談社)を、2019年5月に上梓した。
冷蔵庫が食品ロス削減のキモ
滝沢さんは、筆者の取材で「大きい冷蔵庫だと目が行き届かず、家庭の食品ロスが増えるのでは」と語っている。
滝沢さんが家庭で実践する食品ロス削減とは?
では、滝沢さん自身が実践する、家庭での食品ロス削減とは、どのようなものだろう。
滝沢さんは、夜、奥さんと一緒に、冷蔵庫チェックをし、在庫の食品を見ながら明日の夕飯のメニューを決めることもあるそうだ。
冷蔵庫は、案外、家の中で「恥ずかしい部分」になっている。お客さんが来るといっても、見える部分だけは綺麗にするが、まさか冷蔵庫の中身までは見られないと思うから、なすがままになっていることも多いのではないだろうか。
長野県松本市「毎月30日は冷蔵庫クリーンアップの日」
京都市は、市民啓発の一環として、毎週あるいは毎月、冷蔵庫をスッキリさせる日をつくることを提案している。
宴会の食べ残しゼロを目指して「30・10(さんまるいちまる)」運動を提案した、長野県松本市も、家庭版の「30・10(さんまるいちまる)」として、毎月30日を「冷蔵庫クリーンアップデー」とし、冷蔵庫の賞味期限・消費期限の近いものや野菜などの傷みやすいものを使い、冷蔵庫を空にしよう、と呼びかけている。
今日は5月30日。
まずは、家にある冷蔵庫をスッキリ綺麗にしてみては? 気持ちもスッキリするかもしれない。