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【浜松市】井伊谷宮で七夕書道成就祈願展と注染染め展を開催中!参道には風鈴飾りも

麻生のりこ旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

浜松市浜名区(旧北区)に鎮座する井伊谷宮では、拝殿隣に建つ祈祷控殿で七夕書道成就祈願展と注染染め展を開催中です。

開催期間はどちらも2024年7月7日(日)から7月31日(水)まで。

七夕書道成就祈願展では浜松市内の書道教室2校の生徒と講師による作品を展示し、注染染め展では市内の二橋染工場による注染染め手ぬぐいを展示しています。

今回は展示会初日の様子を、参道の風鈴飾りとともに写真多めでご紹介!

参道の風鈴飾り
参道の風鈴飾り

祈祷控殿で開催される展示会初日の7月7日に参拝した私は、カラフルな風鈴に彩られた参道に驚きました。

というのは、昨年まで参道に風鈴飾りはなかったから。

この風鈴は地元の方の手作り品で紙製ではなくてクリアファイル製で、表参道へ飾るのは今年が最初とのこと。

昨年同時期の参道に風鈴飾りがなかったのにも納得です。

参道の風鈴飾り
参道の風鈴飾り

風鈴につけられた小さな鈴は風が吹くとチリンと爽やかな音を立て、なんとも涼やか。

夏の情緒が感じられました。

井伊谷宮については、こちらの記事をどうぞ▼

【浜松市】「井伊谷宮」の月替わり御朱印は毎月2種類!今月は、どちらにしようかな?

井伊谷宮拝殿
井伊谷宮拝殿

七夕書道成就祈願展と注染染め展の開催場所である祈祷控殿は拝殿の向かって右側です。

祈祷控殿内の様子(出入り口から奥を見たところ)
祈祷控殿内の様子(出入り口から奥を見たところ)

祈祷控殿内の様子(室内奥から窓辺を臨む)
祈祷控殿内の様子(室内奥から窓辺を臨む)

祈祷控殿内では、入って右側の窓辺と奥に書道教室へ通っている生徒たちの作品が、手前の壁に講師による作品が展示されています。

注染染め展は祈祷控殿の中ほどで、ベンチの上には折り畳まれたカラフルな生地が並べられていました。

窓辺に飾られた作品
窓辺に飾られた作品

生徒たちの作品は、どれものびやかで生き生き。思わず見入ってしまいました。

「白猫」「黒猫」「猛暑」「初夏」「努力」「スイカ」「ほし」「つき」「七夕」「平和」「希望」「嵐」「雲海」「風鈴」「花火」など、作品に書かれた言葉はさまざま。

特に課題はないようで、自由な言葉を生徒たちに書いてもらったそう。

「城主」や「城」、「神主」は書く時に、自分の作品が井伊谷宮の祈祷控殿で展示されることを知っていたのかもしれませんね。

手前の壁には講師の作品を展示(画像中央は北宋(中国)の詩人・蘇軾が詠んだ七言絶句『春夜』(しゅんや)、右下は千字文(部分))
手前の壁には講師の作品を展示(画像中央は北宋(中国)の詩人・蘇軾が詠んだ七言絶句『春夜』(しゅんや)、右下は千字文(部分))

手前の壁には書道教室2校の講師による漢詩などの展示が。

どの作品も素晴らしく、しばらく見惚れてしまいました。

なかでも私が一番心惹かれたものは、上の画像右下の『千字文』です。

これは子どもに漢字を教えたり、書の手本用に用いられた1,000文字から成る漢文の長詩で、ひとつとして同じ漢字がないんです。

その存在は知っていましたが実際に見たのは初めてだったので、嬉しくて眺め倒しちゃいました。

『千字文』は漢詩よりもう少し右側の壁に展示されているので、ぜひご覧ください!

ベンチに並べられた注染染め作品
ベンチに並べられた注染染め作品

注染染め展では浜松市内の二橋染工場の協力による、手拭いサイズの注染染め作品が展示されていました。

作品はどれも素敵で、浴衣に仕立てれば注目を集めるようなデザインばかりです。

浜松で注染染めが行われるようになったのは大正時代のこと。

関東大震災をきっかけに首都圏から新天地を求めた職人が、染め物の産地に適した豊富な水と強い風(遠州の空っ風)に惹かれて、静岡県西部地方に流入したことによります。

注染は型染の一種で、柄の部分に染料を注ぐことから注ぎ染などとも呼ばれることも。

浜松名物をギュギュッと詰め込んだデザイン
浜松名物をギュギュッと詰め込んだデザイン

なかには、凧にお城、うなぎ、ふぐ、みかんなど浜松名物をギュギュッと詰め込んだデザインの作品もあります。

このままタペストリーにしても良さそう♪

桜の花びらの濃淡が絶妙!
桜の花びらの濃淡が絶妙!

注染染めの絶妙な色の濃淡やにじみ、隣の色とのぼかし具合は経験によるものです。

色分けをする場合は隣り合う色が混ざらないよう、柄と柄との間に防染糊を絞り出して「土手」を作ります。

その土手内に染料を注ぎ込んで染めることで色分けができるのです。

(注染染め作品を見るたびに、プリントゴッコの多版刷り工程を思い出してしまうのはナイショですよ)

もちろん土手内での濃淡も可能です。

見て! この桜の花びらの濃淡ったら、素晴らしすぎだと思いませんか!?

朝顔のは先に背景色を染めて、その上から朝顔を染めたのかなあ?

このほかにも紹介しきれない作品があるので、祈祷控殿で実物をご覧ください。

史料館付近の てるてるボウズ
史料館付近の てるてるボウズ

7月末までは史料館付近に てるてるボウズが飾られています。

白、黄色、水色に黄緑色など、てるてるボウズの色はとってもカラフル。

見ていると気分が晴れやかになりますね。

7月の月替わり御朱印(七夕まつり)
7月の月替わり御朱印(七夕まつり)

7月の月替わり御朱印は七夕まつりと献氷祭の2種類です。

七夕まつりは笹竹や短冊、提灯飾り、網飾り描かれて七夕気分満載な御朱印デザインです。

冷たい氷をイメージした献氷祭の御朱印は透け感のある紙を使用しているので、御朱印帳などに貼る前に透かして見るのがお勧めです。

江川直美さんによる宗良親王(右)と駿河姫(左)が描かれた井伊谷宮参道整備工事のバリケード
江川直美さんによる宗良親王(右)と駿河姫(左)が描かれた井伊谷宮参道整備工事のバリケード

そうそう。

井伊谷宮の道路沿いに立つ鳥居は整備工事のため、2024年9月初旬頃まで通行できませんのでご注意ください。

バリケードに描かれているのは浜松市内のマンガ家で、『歌人 宗良親王物語』を描いた江川直美さんによる宗良親王と駿河姫です。

このイラスト前で撮影すると、井伊谷宮への参拝がさらに心に残るかもしれませんね。

<基本情報>
施 設 名:井伊谷宮
住   所:静岡県浜松市浜名区引佐町井伊谷1991-1
月替わり御朱印の初穂料:1枚500円
駐 車 場:あり(無料)
公式サイト:井伊谷宮の公式サイト (外部リンク)

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旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

日本史ミーハーな旅ライター。トラベルメディアでは国内の観光スポットなどをめぐり、取材記事を執筆しています。旅先で好きなこと⇒マンホールの蓋探し・西洋館探訪・神社仏閣参拝・城めぐり(18/100) / 2017大河ドラマ直虎まだまだ応援中。ここでは静岡県浜松市へ出掛けたくなる情報を発信します。

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