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強盗殺人の心理学:なぜ人は残酷なことができるのか

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
イラストはイメージ:乱暴で残酷な犯罪を防ぎたい(提供:イメージマート)

■強盗殺人

強盗殺人事件が大きく報道されています。この事件自体の真偽は不明ですが、高齢の犠牲者、海外からの指示、ネットでの実行犯募集などが言われています。

そんなお年寄りを殺さなくても良いのに。そう感じるのが普通でしょう。しかし、事件が起きるときがあるのです。

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強盗殺人は重罪です。殺人なら、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」ですが、強盗殺人なら「無期又は死刑」しかありません。

非常に重い罪ですから、簡単にはできません。プロは、簡単にはこんなことはしません。空き巣に入って運悪く見つけられれば、さっさと逃げるか、あっさり捕まります。

ただこれが素人だと、万引きをして逃げる際に店員に追いかけられ、もみ合いになって怪我でもさせたら強盗致傷罪になりますし、殺してしまえば強盗殺人罪になる可能性もでてきます。

犯罪のプロは、自分が利益を得ること、逮捕されないこと、逮捕されてもできるだけ軽い罪になることを考えます。だからプロは簡単に強盗などしないし、ましてや最初から強盗殺人を狙うことなど、普通はしません。

素人だって、たまたま相手をケガさせることはあっても、最初から殺すつもりで押し入ることは、そうそうないでしょう。

治安が良い日本では、金目当ての殺人は少ないのです(そのため、相対的に家族や知人間の殺人の割合が大きい)。

それなのに、なぜ今回のような犯罪が起きるのでしょうか。その心理に迫ります。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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