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「子ども若者大綱」から大きく改善した「こども大綱」。韓国・北欧の若者政策との比較をヒントに

室橋祐貴日本若者協議会代表理事
こども家庭庁

現在、こども大綱が策定されようとしている。

こども大綱とは、政府全体のこども施策の基本的な方針で、今後5年程度の政策や目標が盛り込まれる。

これまでは、「少子化社会対策大綱」「子供・若者育成支援推進大綱」「子供の貧困対策に関する大綱」と個別に作られていたが、これが一つにまとめられる。

9月29日からは、こども大綱の中間整理に対するパブリックコメントが実施されており、それを踏まえ、年内に確定予定となっている。

こども大綱の策定に向けた意見募集について(こども家庭庁)

では、これまでの子どもや若者に関する(「こども」は心身の発達過程にある者という定義であり、18歳以上も含まれる。国連・子どもの権利条約の子どもの定義=18歳未満とは異なる)大綱から、どう変わったか。こども基本法ができたことによって、良くなったのだろうか。

結論からいえば、子どもや若者の社会参加・政治参加に触れていた「子供・若者育成支援推進大綱」に比べると、だいぶ良くなっており、ようやく国際水準になったように感じる。

具体的にどう変わったのか。重要なポイントを解説しながら、それでも足りない点について言及したい。

支援・保護対象とみなされてきた日本の子ども・若者

まず、現状の若者政策はどこに課題があったのか。

「こども大綱」の策定に向けて、大臣などが、直接こどもや若者などから意見を聴く、「こどもまんなかフォーラム」で、筆者が発表した内容に重要なポイントはまとまっているため、それをベースに整理していきたい。

こどもまんなかフォーラム
こどもまんなかフォーラム

これまでの最大の課題は、子ども・若者が支援、保護の対象であり、権利の主体になっていない点だ。

その背景には、子ども、若者は未熟であり、意思決定に参加させる必要はない(間違った判断をする)というパターナリスティックな価値観がある。

「子供・若者育成支援推進大綱」という名前自体にその精神が表れているが、主な対象は困難を抱えた子ども・若者であり、最新の令和3年度版の副題に「~全ての子供・若者が自らの居場所を得て、成長・活躍できる社会を目指して~」という文言が入っているように、国が望ましいと考える方向性(個人の成長・活躍)に支援していく、支援対象者としての子ども・若者像が想定されていた。

一見、困難を抱えた子ども・若者をメインに据えることは正しいように感じるが、これによって事後的な、部分的な施策にとどまり、そもそも社会的逸脱を防ぐための包括的・普遍的な施策、構造的な見直しが進まないなど、弊害は大きい。

また、権利の主体ではなく、支援・保護対象と見ているために、子ども、若者が自分自身(自己決定権)や社会に影響力を与えられるように、子ども・若者の発言の機会や主体的な活動(若者団体)の支援を行うのではなく、あくまで大人による支援団体を支援してきた。

詳しくはこちらで解説している。

「支援・保護」対象から「権利主体」へ、こども家庭庁・こども基本法施行後の「子ども像」(室橋祐貴)

先に若者の権利保障に転換した韓国の若者政策

他の国々はどうなっているのか。

同じ時期に若者政策が発展した日本と韓国ではその内容が大きく異なる。

2000年代以降、どちらの国も若者の失業やニートなど、若者の問題が顕在化し、対応がとられることになった。

日本が取ったアプローチは、先述の子ども・若者育成支援推進法(2009年成立)であり、従来型の支援アプローチを取った。それは2022年にこども基本法が成立するまで変わっていない。

一方、韓国では、1998年頃から、予防的アプローチが増えていき、2015年の「若者の権利」と「公共の責務」を明示した「ソウル市青年基本条例」制定などを経て、2020年に、すべての若者をターゲットにした青年基本法が成立。

基本法では、若者の権利と責任、国や自治体の責務を規定し、すべての領域で若者生活の質の向上を意味する「青年発展」を目的とした。

さらに、若者の自己決定権や意思決定に参加する権利などが規定され、若者政策の決定過程で若者の参加や意見交換が義務化された。若者参画の具体的制度としては、国務総理(首相に相当)を委員長とする「青年政策調整委員会」(中央政府や自治体の若者政策を審議・調整・評価などを行う権限が付与)が設置され、若者の代表である民間委員が一定の比率で参加する仕組みが作られている。

また、若者政策と関連がある政府委員会にも一定の比率で民間委員(若者の代表)が参加することが定められるなど、支援保護対象としてだけでなく、権利の主体として、若者を想定している。

従来の青少年育成政策をもとに、ニートやひきこもりなどの、社会から逸脱した子ども・若者問題にフォーカスをあて、主に支援者による相談体制や地域ネットワークづくりなどを進めた日本の推進法。

それに対し、韓国の基本法は、若者を権利の主体として捉え、若者参画の仕組みを進めた。

結果的に、日本では、ニート、フリーター、非行、犯罪、ひきこもり、不登校児童などの子ども・若者問題が多く扱われ、韓国では、若者雇用の義務化、若者向けの住宅供給、大学授業料の軽減、ユースセンターなどの若者の活動支援、男女平等や若者の参画・権利と、全ての若者を対象に幅広い課題が取り扱われた。

関連して、ブラック校則の解消が日本より先に進んでいるのも偶然ではない。

関連記事:韓国は「ブラック校則」をどのように解消しているのか?(室橋祐貴)

なぜ両国の若者政策に大きな違いが生まれたのか?

それは政策立案過程に大きな違いがある。

日本では、「青少年育成施策大綱」(と同時期に検討が進められた「青少年総合対策推進法案」)の策定に向けて、2007年4月から2008年12月まで、「青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談」を合計12回開催したが、ほとんどの回がニートやフリーター、ひきこもりなどをどう支援するかが主な主題となった。この懇談会では、研究者や民間支援団体が主に議論に参加し、当事者の子どもや若者はほとんど参加していない。

ねじれ国会で民主党の影響力が大きかったために、名称が「子ども・若者育成支援推進法」に変わったが、若者の参画の仕組みや若者への財政支援などはほとんど盛り込まれていない。

一方、韓国では、若者団体が議論をリードした。

2017年5月、20・30代からの多くの支持を受けた文在寅新政権の誕生をきっかけに、若者団体は青年基本法の制定を訴えた。

2017年9月には、約50の若者団体が集まって、「青年基本法の制定のための若者団体の連席会議」が発足し、この連席会議の若者たちは青年基本法の制定を要求する「一万人署名運動」を行った。

さらに、政府も積極的に若者たちの声を政策に盛り込もうとした。

この基本法の制定のため、青年政策推進団は、全国10地域を巡回しながら、各地域の若者団体や若者の意見を聴取した。

日本の懇談会が有識者の意見を聴取するものだったのに対し、韓国では若者の意見を聞くことが目的であり、懇談会での質疑応答の主なテーマは、「雇用」「住宅」「教育」「生活支援」「参画・権利」などであり、日本の懇談会が逸脱した若者問題に関心を集中させていたのとは対照的に、若者一般の権利に関することが話し合われた。

さらに、若者が提案した事項は、各省庁から回答が行われ、質疑応答の内容は青年政策推進委員会のホームページで公開するなど、透明性も高めた上で、意思決定を進めていった。

このように、政策立案過程で、すでに若者の参画は実現できており、それが法律に反映されたと言える。

子ども・若者を権利主体として明確に位置付け

その意味では、今回のこども基本法の成立に向けては、筆者が代表理事を務める日本若者協議会が大きく関わっており、ようやく韓国と同様の動きを展開できたと言えよう。

実際、こども基本法では、子どもや若者が権利の主体として明確に位置付けられており、こども大綱も同様になっている。

こども大綱の使命は、常にこどもや若者の最善の利益を第一に考え、こども・若者・子育て支援に関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据え、こどもや若者を権利の主体として認識し、こどもや若者の視点で、こどもや若者を取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもや若者の権利を保障し、誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることにより、「こどもまんなか社会」を実現していくことである。

(中略)

第2 こども施策に関する基本的な方針

全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現に向けて、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、以下の6本の柱を政府におけるこども施策の基本的な方針とする。

(1)こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格・個性を尊重し、権利を保障し、こども・若者の今とこれからの最善の利益を図る

(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに考えていく

(3)こどもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目なく対応し、十分に支援する

(4)良好な成育環境を確保し、貧困と格差の解消を図り、全てのこども・若者が幸せな状態で成長できるようにする

(5)若い世代の生活の基盤の安定を図るとともに、多様な価値観・考え方を大前提として若い世代の視点に立って結婚、子育てに関する希望の形成と実現を阻む隘路の打破に取り組む

(6)施策の総合性を確保するとともに、関係省庁、地方自治体、民間団体等との連携を重視する

引用元:「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等~こども大綱の策定に向けて~(中間整理)」(太字は筆者)

また副題としては、上記で指摘したように、「成長」といった支援型・誘導型の文言から、幸福な生活へと自己決定型・権利ベースへと変更されている。

こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」

~全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会~

「こどもまんなか社会」とは、全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、ひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的(バイオサイコソーシャル)に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会である。

ターゲットも、一部の逸脱した子ども若者だけでなく、全てのこどもが主眼に置かれており、高く評価したい。

なお、こどもの定義は子どもの権利条約のものとは異なるため、「こどもの権利条約」は、「子どもの権利条約」の方が適切である。

バイオサイコソーシャルという言葉も一般的に広く使われている言葉とは言えないため、使用は控えた方が良いだろう。

「影響力」が抜け落ちたこどもの参加

このように、基本的な方針としては評価できるものの、いくつか重要なポイントが抜けているため、指摘しておきたい。

まず、こどもや若者の意見を尊重することは言及されているものの、最重要ワードである「影響力」という言葉が現行の「こども大綱」の案には入っていない。

そもそもなぜ、子どもや若者の意見を聞く必要があるのか?

それは、社会の一員として、自分自身のことや、社会のことに影響力を発揮してもらうためである(自己決定権や意見表明権の保障、民主主義の実現)。

だからこそ、欧州の若者政策の文章には必ずといって良いほど、「影響力」あるいは「エンパワメント」という言葉が入っている。

エンパワメントとは、権限を与えるという意味で、影響力を与えると同義である。

例えば、フィンランドの若者政策法(the Youth Act)では、第一条に「エンパワメント」が含まれている。

(目的)

第一条

一 この法律の目的は、若者の成長と自立を援助すること、若者の積極的シティズンシップとエンパワメントを促進すること及び若者の成長と生活環境を改善することである。

二 この目的の実現は、共同性、連帯、公平と平等、多文化主義と国際主義、健康的な生活及び生命と環境の尊重に基づいている。

(定義)

第二条

⑵積極的シティズンシップとは、市民社会における、若者による目的志向の活動を意味する。

⑶社会的エンパワメントとは、若者を対象とする、生活管理スキルを改善し排除を防止することを目指す手段を意味する。

⑷ユースワークとは、若者の余暇時間における積極的シティズンシップの促進、若者のエンパワメント、若者の成長と自立の支援、世代間の相互作用を意味する。

⑸若者政策とは、若者の成長と生活環境を向上させることを意味する。

引用元:the Youth Act (72/2006))

これは幼少期から意識されており、スウェーデンの幼児教育の基本方針には、「子どもの参加と影響力」という項目が作られている。

「影響力」を与える権利を保障するために、「参加」の機会を保障するのである。

要は、「参加」だけでは不十分なのだ。「影響力」を与えなくては意味がないどころか、むしろ弊害すらある。

形の上では参加していても、影響力を与えられなければ、「自分には力がない」というように学び、声を上げようとしなくなるからである(学習性無力感)。

残念ながら、現状の日本は既にそうなっている。

日本若者協議会が約800名の高校生に実施したアンケートでは、「児童生徒が声を上げて学校が変わると思いますか?」という問いに対し、約70%の高校生らが「(どちらかというと)そう思わない」と回答している。

理由は、「(生徒会の)候補者が何度も校則を変えると言ってきたけど変わったことはない(鳥取県・私立高校 生徒)」、「実際に学校に陳情したことがあり、受け入れる旨の回答をもらったが、後にほとんど対処してもらえていなかった事がわかった(奈良県・私立高校 生徒)」、「どうしても変えたいという要望を持ち、声をあげたとしても、『それはしょうがない。生徒なんだから』とまるで取り合ってもらえないから(千葉県・国公立中学校 生徒)」などが、挙げられた。

学校内で声を上げてきた経験から、こうした感覚に陥っている様子がうかがえる。

つまり、「参加」したことが、社会に対する参加意欲を増すどころか、逆にマイナスの影響を与えてしまっているのである。

そして、日本では肝心の目的が抜け落ちているため、政府の子どもや若者の意見を聞く事業も、アンケートやヒアリングといった影響力の小さい事業であることが多く、小さい会議には若者が入っていても、重要な会議(官邸や中央審議会)には入っていない。

学校では、校則に関しては意見が聞かれても、学校・授業の方針や成績付けなどについては聞かれない。

関連記事:なぜ日本の「子どもの声を聞く事業」はモニター募集という“意味のない”事業になってしまうのか?(室橋祐貴)

影響力を重視した欧米の子ども・若者参加

他方、欧米の子ども・若者の参加は大きく異なる。

高校生の時から、重要な意思決定の場である、教育委員会や中央審議会に入っていることは珍しくなく、フランスではあらかじめ中央教育審議会に4名の高校生枠が設けられており、全国組織から選出される。

スウェーデンでは、新しく法律を制定する際は、必ず、法案に関わるステークホルダーの合意を得るプロセスが確立されている(レミス制度)。

若者に関する政策を通すときは、若者協議会をはじめ、若者団体が議論に参加し、政策決定に関与している。

さらに、リソースに欠ける若者でも社会に影響を与えられるように、若者団体に多額の経済的支援を行っている。

スウェーデンでは、子ども・若者団体に限定して、年間約45億円の助成金を出し、フィンランドでは、ユースワークのために年間94億円ほど政府から助成金が出されている。

もちろん、お金は出しても、活動内容に口は出さない。支援・保護対象ではなく、権利の主体として、子ども・若者を見ているために、主体性を尊重するのである。

このように一貫して、若者に影響力を与える(エンパワメント)ために、若者政策を整備しており、日本は根底にこの考え方が抜け落ちているために、不十分な施策ばかりになっている。

こども大綱の中間整理でも、「若者が主体となって活動する団体等の活動を促進する環境整備」という項目は入っているが、エンパワメントや財政的支援など、もう一歩踏み込んだ記述が求められる。

関連記事:なぜ若者団体に限定した経済的支援が重要なのか?日本若者協議会が政府や東京都に提言(室橋祐貴)

教育分野での子どもの権利保障

もう一つ重要な軸が、学校教育の現場をどう変えていくかだ。

前述の学校内民主主義に関するアンケート結果にあるように、現状の学校は民主主義の場として機能していない。

さらに、最近では中学受験から始まる激しい受験競争や、幼少期からの「評定」など、不登校の児童生徒や自殺者数に見られるように、管理型で、画一的な、過度に競争的な教育環境に子どもたちが苦しんでいる。

「評定」と「評価」は異なる。

「評定」が一律の基準によって数値化するのに対し、「評価」は個別の進捗や課題などを確認するもので、個人が成長していくためには欠かせない。

諸外国では中学校まで、成績の数値化や順位付けをしないなど、なるべく「評定」を避け、子ども一人ひとりの個性や可能性を大事にしている。

多くの子どもたちにとって、日中最も多くの時間を過ごすのは学校である。

その学校の場で、子どもの権利が保障されていなくては、いくら他で保障されていても不十分である。

下記のように周知については触れられているが、周知だけでは全く不十分であり、文科行政や教育委員会、学校長が責任を持って子どもたちの権利を保障しなければならない。

(1)こども・若者が権利の主体であることの社会全体での共有等

全てのこども・若者に対して、こども基本法の趣旨や内容について理解を深めるための情報提供や啓発を行うとともに、こどもの権利条約の認知度を把握しつつその趣旨や内容についての普及啓発に民間団体等と連携して取り組むことにより、自らが権利の主体であることを広く周知する。学校教育においてこどもが自らの権利について学び、自らを守る方法や、困難を抱える時に助けを求め、回復する方法を学べるよう、こどもの権利に関する理解促進や人権教育を推進する

引用元:「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等~こども大綱の策定に向けて~(中間整理)」(太字は筆者)

(こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育の再生等)という項目もあるが、学校の民主化を進めることや、過度に競争的な教育環境の是正、体罰(不適切指導)の防止など、より具体的な記述が求められる。

関連記事:内申書や高校入試は必要か?子どもの最善の利益から考える(室橋祐貴)

評価体制や権利救済が不十分=国内人権機関設置の必要性

最後に、EBPM(エビデンスに基づいた政策立案)や下記のように「見える化」や子どもの権利影響評価に触れているのは評価できるが、これまで子どもの権利や人権が十分に保障されてこなかった大きな理由の一つが、政府から独立した国内人権機関がないことである。

「各府省庁の各種審議会、懇談会等の委員に、こどもや若者を一定割合以上登用するよう取り組む。各種審議会、懇談会等におけるこども・若者委員割合を「見える化」する。

「各種施策を企画立案・実施するに当たりこどもや若者の権利に与える影響を事前又は事後に評価する取組の在り方について調査研究等を進める。」

こども基本法の成立過程では、「こどもコミッショナー」についても議論が行われたが、実効的に子どもの権利保障を進めるためには、外部からの評価や権利救済が欠かせない。

現に、今の学校で、生徒会などを通して、明らかに人権侵害である校則の見直しを訴えても、児童生徒の声が反映される体制にはなっていない。

こども大綱の中身をきちんと実現させるためにも、「国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)」や「子どもの権利委員会の一般的意見第2号(子どもの権利の保護および促進における独立した国内人権機関の役割)」に沿った、国内人権機関の設置が求められる。

その必要性は今回のジャニーズ問題を見れば明らかだろう。

関連記事:「ジャニーズ問題」どうしたら再発を防げるのか?人権教育と「国内人権機関」設置の必要性

参考文献:

日本と韓国における若者政策の変容―なぜ両国の政策は分岐したのか(朴在浩)

日本若者協議会代表理事

1988年、神奈川県生まれ。若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事。慶應義塾大学経済学部卒。同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、労働政策、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員 yukimurohashi0@gmail.com

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