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各球団最後の「首位打者」「本塁打王」「打点王」パ・リーグ編。東北楽天の打点王は14年ぶり2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
稲葉篤紀(左)と中田翔 MARCH 3, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 昨年、パ・リーグの打撃三冠は、いずれも違う選手がタイトルを獲得した。首位打者が吉田正尚(オリックス・バファローズ)、本塁打王が杉本裕太郎(オリックス)、打点王は島内宏明(東北楽天ゴールデンイーグルス)だ。吉田の首位打者は2年連続。杉本と島内は初タイトルとなった。

 また、オリックスの選手が本塁打王を獲得するのは、2010年のT-岡田以来。東北楽天の打点王は、2007年の山﨑武司以来だ。東北楽天の首位打者と本塁打王は、それぞれ2人ずついるが、打点王は、島内が獲得するまで山﨑しかいなかった。

 各球団最後の首位打者、本塁打王、打点王と、その前の各タイトル・ホルダー2人は、以下のとおり。

筆者作成
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 パ・リーグの6球団中、最後に首位打者が出てから最も長い歳月が経っているのは、北海道日本ハム・ファイターズだ。2007年に稲葉篤紀が獲得後、14年途絶えている。ちなみに、北海道日本ハムの近藤健介は、打率リーグ3位が3度(2015、2018、2020年)。最初の2度は、いずれも、柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)と秋山翔吾(当時・埼玉西武ライオンズ/現シンシナティ・レッズ)の後塵を拝し、3度目は、吉田と柳田に次いだ。

 もっとも、北海道日本ハムの首位打者のブランクは、こちらと比べると、かなり短い。千葉ロッテ・マリーンズの本塁打王は、1986年の落合博満が最後だ。千葉ロッテは、打点王も、1995年に初芝清が獲得した後は現れていない。落合がロッテ・オリオンズ時代に本塁打王を獲得した1982年と1985~86年は、3度とも三冠王。1995年の初芝は、オリックス・ブルーウェーブのイチローと日本ハム・ファイターズの田中幸雄と打点王を分け合った。

 打点の場合、本人以外の要因も小さくないので予想は難しいが、現在の千葉ロッテで本塁打王――ロッテ・オリオンズから千葉ロッテになってから初の本塁打王――の可能性が最も高い選手を挙げるとすれば、ブランドン・レアードではないだろうか。北海道日本ハム時代の2016年に本塁打王を獲得しているだけでなく、2015年と2017年と2021年は、いずれも本塁打王と3本差だった。また、2020年のホームランは6本にもかかわらず、過去3年(2019~21年)の計67本は、このスパンの10位に位置する(「NPB打撃ランキング2019-21。過去3年に100本塁打以上は2人。OPS1.000以上は1人だけ」)。

 なお、この記事のセ・リーグ編は、こちらで書いた。

「セ・リーグ各球団最後の「首位打者」「本塁打王」「打点王」。阪神の本塁打王と広島東洋の打点王は20世紀」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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