Yahoo!ニュース

アメリカ陸軍、タトゥー禁止規定を緩和

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
タトゥー禁止規定緩和を発表する米陸軍のホームページ(筆者が画面をキャプチャー)

アメリカ陸軍は6月23日、タトゥー(入れ墨)についての禁止規定を緩和し、手、耳の後ろと首の後ろのタトゥーを認めると発表した。陸軍のリクルーティング活動が厳しい状況に陥っているため、タトゥーを入れた若者にも入隊の門戸を開くことにした。

クリスティン・ウォーマス陸軍長官が23日、タトゥーに関する新たなルールを示した。それによると、兵士は左右両手にそれぞれ、長さ1インチ(2.54センチメートル)以下のタトゥーを1つ入れることが認められる。首の後ろにも、2インチを超えないタトゥー1つを入れることが許される。左右両耳の後ろにも、最長1インチのタトゥーを1つずつ入れることが可能となる。

しかし、顔や首の前方へのタトゥーはこれまで通り、禁止される。

アメリカ陸軍はこれまで指へのタトゥーのみを認めてきた。このため、タトゥーに関して、より寛容な方針をとってきた海軍や海兵隊に、人材を奪われていると指摘されてきた。

アメリカ陸軍は現在、リクルーティング活動で困難に直面している。2022年度(2021年10月1日―2022年9月30日)の最初の5ヵ月で入隊募集人数目標の約23%にしか達していない。

その一方で、アメリカの若者の間ではタトゥーの人気が高まっている。アメリカ陸軍訓練教義コマンド(TRADOC)によると、18歳から34歳までの人々の41%が少なくとも1つのタトゥーを入れているという。

なお、日本の自衛隊では、自衛官の「品位を保つ義務」を定めた自衛隊法58条1項に基づき、タトゥーは禁じられている。

(関連記事)

アメリカ空軍、パイロットの身長制限を撤廃――小柄な女性にも道開く

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

高橋浩祐の最近の記事