とてもひどい組織にいるメンバーの口ぐせ「ベスト10」発表!
とてもひどい組織(モラルハザードを起こしている組織)は、どんな空気が流れているのだろうか?
部課長たち組織リーダーたちにヒアリングしてもわからない。ひどい組織のリーダーたちは組織の空気、風土を正しく把握していないからだ。だからこそメンバーたちが何気なく放つ日々の「口ぐせ」を観察しよう。
今回は、とてもひどい組織にいるメンバーがよく使う口ぐせ「ベスト10」を発表したい。(※ランキングはすべて筆者の感覚)
1位:「私がやればいいんでしょ」
「反論してもムダ」と学習したメンバーの口ぐせだ。無力感や自己犠牲を感じていることを如実に示している。組織の中で、責任のすべてが特定の人物に押し付けられ、それが当然とされている状況だとわかるだろう。自発的な行動ではなく、強いられた行動から発せられるセリフだ。
まさに「諦めの境地」をあらわしていて、切ない。
2位:「どうせ誰も気にしません」
この口ぐせは、仕事に対する無関心さを強く示している。もともとは「こだわり」をもって仕事をしていたメンバーが、組織の無関心さに絶望し無気力になったときに使う。
努力が認識されず、価値を見出されないと感じているメンバーの諦めがこもっている。
3位:「私には関係ない話です」
分断された組織における典型的な言葉。「経営陣がこんな方針を打ち出した」「他部署ではこんな取組みをされている」と上司から言われても、「そんなこと知るか」と言いたいのである。
組織全体の成長や成功に対する共通の関心が欠如していることを表している。
4位:「もう何も期待していません」
失望と諦めの極みを示す言葉だ。次の例文を読んでもらいたい。
「今年こそは変化の年にしたいんだ。一緒にがんばろう!」
「もう何も期待していません」
組織やリーダーに何度もがっかりさせられ続けた結果、これ以上期待することをやめてしまったメンバーの心情が、この言葉にこめられている。こんな言葉を先輩社員が口にしていたら、新入社員のモチベーションが上がることはないだろう。
5位:「何をやっても評価されないですから」
上司に評価者としての意識、技術が欠けていて、メンバーの貢献や努力が見過ごされる環境があることが、この言葉を聞くことで理解できる。とくに努力に対する功績が報われないと、組織へのエンゲージメントはゼロに近くなる。
6位:「いつもそんな感じですね」
上司に対する抵抗もしくは「皮肉」を表している。
「ごめん。いろいろ考えたけど、やっぱり部長に言っても無駄だと思うんだよ」
「いつもそんな感じですね」
少しは期待した。しかしやっぱり駄目だったか。上司が変化や改善に意志を見せないときに、メンバーはこのように訴えることが多い。
7位:「変える必要はないんじゃないですか?」
変化に対して慎重、または消極的な態度が感じられる口ぐせだ。
「今年こそは、もっとITに投資して組織を変えていこうと思ってる」
「変える必要はないんじゃないですか?」
これまで散々「変化」「革新」に付き合わされたが、すべて無駄に終わってしまった過去をこのメンバーは知っている。だから新しい試みやアイデアを退けてしまうのだ。「今度こそ本気だ」と言っても、おそらく信じないだろう。
8位:「いつも私が悪者にされます」
意思決定プロセスが確立していない組織のメンバーは、責任の不公平な配分に強い不満を覚えるものだ。
なぜそう判断したのか? 誰がどのような根拠で意思決定したのか? ルールや仕組みを統一しないと、一部のメンバーが絶えず責められることになる。対症療法に終始している状況だ。この状況が続くと問題の根本原因は解決されない。
9位:「それは私の仕事じゃありません」
役割分担が不明確だから、このような言葉を放つのか。それともメンバーの性格的な問題が起因しているのか。原因はいろいろあるだろうが、上司とメンバーとの信頼関係がないことが原因である可能性が高い。
「相互支援の空気」がある組織にこのメンバーが異動したとき、はたして同じような言葉を発するかどうか。そのとき真因が明らかになるだろう。
10位:「私一人が頑張っても……」
孤立無援という感覚が強いメンバーの口ぐせだ。このような発言を耳にすると切ない気分になる。組織としてのチームワークが機能しておらず、個人が孤軍奮闘している状態を物語っている。
今回紹介したこれらの口ぐせは、メンバーのマインドセットだけでなく、組織全体の問題を浮き彫りにしている。組織の健全性を評価する際に、このような言葉がどれだけ頻繁に発せられているか。それを計測することはとても重要だ。
上司が「心理的安全性の高いチームにしよう!」と言っているだけでは根本的な解決はしないのである。
直属の上司の「対話力」を変えない限りは。
<参考記事>