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卵は賞味期限過ぎたら捨てる?意外に知らない卵の正しい賞味期限 #専門家のまとめ

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
お皿に出した卵(写真:イメージマート)

2022年から続いている食品の値上げ。中でも話題にあがったのが、ほぼ2倍の高値もついた卵。日常使いするからこそ重宝する卵は、賞味期限で悩む食材の筆頭にあげられている。卵の賞味期限は絶対に守らなければならないのだろうか。

また、夏になれば気になるのが食中毒。日常使いする食材の卵は、サルモネラ菌の食中毒の話を耳にしたことがあるが、最近でも多いのだろうか。

卵と賞味期限に関する記事は、いつも関心高く読み続けられている。そこで、卵の賞味期限と、最近の食中毒の発生件数について、まとめてみた。

ココがポイント

▼卵の賞味期限は安心して生食できる期限。冷蔵庫に入れておいた卵が賞味期限を過ぎていたら、加熱調理して早めに食べ切ること

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▼卵は採卵したあと7日以内にパックされ、パックされてから2週間が賞味期限として設定される場合がほとんど

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▼ゆでて保存すると生卵よりかえって賞味期限を短くしてしまうので逆効果。菌を溶かす酵素であるリゾチームの働きが失われてしまう

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▼卵の食中毒の全国発生件数は2006年以降ほぼ1桁台。2020年は2件、2021年はゼロ、2022年は2件

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エキスパートの補足・見解

多くの家庭に常備してある卵。以前は「物価の優等生」ともうたわれた卵だが、2022年から値上げが続き、以前の2倍程度の値段がついているところも少なくない。大切に食べたいが、食中毒を出してまで食べたくはない。

日本では、気温25度で保存した場合でも2週間は生で食べられるという実験結果に基づき「安心して生で食べられる」前提で、パックして2週間が賞味期間とされている場合がほとんどだ。

以前は多かったサルモネラ菌の食中毒も、今では発生件数がほとんどゼロになっている。

ニワトリが24時間以上かけて1個生み出すことのできる卵。多少、賞味期限が過ぎても、ゆで卵にしたり、目玉焼きにしたりして、おいしく食べきりたい。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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