Yahoo!ニュース

シティとアトレティコの激闘。両極のスタイルの“戦闘”と【5−5−0】システムの是非。

森田泰史スポーツライター
シュートを打つコレア(写真:ロイター/アフロ)

意地とプライドが、激突した。

今季のチャンピオンズリーグ準々決勝で、マンチェスター・シティとアトレティコ・マドリーが対戦した。180分を通じてスコアが大きくは動かず、2試合合計スコア1―0でシティがベスト4進出を決めている。

■両極のスタイル

この試合をめぐっては、両者の異なるスタイルのぶつかり合いが注目を集めていた。

攻撃的なポゼッションのシティと堅守速攻のアトレティコ。ペップ・グアルディオラ監督とディエゴ・シメオネ監督の提唱するフットボールは、現在の世界で両極に位置するものだ。

「拮抗したゲームだった。後方に下がって守るという意味では、アトレティコはマエストロのような存在だ。それを崩すのは非常に難しい」

「我々はアトレティコが5−3−2でプレーすると考えていた。だが実際は、グリーズマンが右サイド、ジョアンが左サイドに位置して、5人の2ラインを形成した。それは先史時代のような...10万年経っても5人の2ラインを攻略するのは非常に困難だ」

これはファーストレグを終えた後のグアルディオラ監督のコメントだ。

■アトレティコの5−5−0システム

アトレティコは敵地エティハドでの1戦目、まさにウルトラディフェンシブな戦術で臨んだ。【5−5−0】のゼロトップで、シティの攻撃を跳ね返そうとしたのである。

アトレティコの5−5−0
アトレティコの5−5−0

この戦い方が、グアルディオラ監督に「先史時代」という言葉を使わせた。それだけではなく、アリーゴ・サッキやマルコ・ファン・バステンといった往年の名将や名選手が次々にアトレティコを非難した。あれは、フットボールではない。そういった類の意見だ。

5人の2ライン
5人の2ライン

この記事は有料です。
誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバーをお申し込みください。

誰かに話したくなるサッカー戦術分析のバックナンバー 2022年4月

税込550(記事9本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

森田泰史の最近の記事