久保建英の起用法は?アギーレ新監督の就任でマジョルカに訪れる変化。
監督交代が、断行された。
マジョルカの調子が上がらない。インターナショナルウィーク前のリーガエスパニョーラ第29節で、マジョルカはエスパニョールに0−1で敗れた。この結果、マジョルカは18位に沈み降格圏内に入っている。
そんな中、クラブは監督を交代する決断を下した。ルイス・ガルシア・プラサ前監督が解任され、ハビエル・アギーレ新監督の就任が決定した。
アギーレ監督は、スペインの「スペシャリスト」だ。日本代表を率いた経験もあるが、彼は欧州ではリーガ1部で指揮を執った指揮官として知られている。
オサスナ(161試合)、アトレティコ・マドリー(131試合)、サラゴサ(45試合)、エスパニョール(69試合)、レガネス(30試合)と複数クラブで結果を残した。
■マジョルカのこれまでの戦い
マジョルカは6連敗中だ。そのような状況で、ルイス・ガルシア前監督にも迷いが生じていた。
マジョルカは今冬の移籍市場でベダト・ムリキを獲得。ラツィオからレンタルで加入したコソボ代表のストライカーは、瞬く間にフィットしてマジョルカの中心になった。
ムリキの加入で、ルイス・ガルシア前監督は基本布陣を【4−4−2】にした。長身でヘディングが強いムリキフリーランニングが巧みなアンヘルを2トップで組ませ、チームに軸が一本通った。
ただ、その中で、ひとつアクシデントが起こった。第25節ベティス戦で、ルイス・デ・ガラレッタが負傷。膝の靭帯断裂の重傷で、シーズン絶望となった。
ハードワークを厭わないガラレッタの負傷離脱で、チームのバランスが崩れた。イドゥリス・ババはアンカータイプ、サルバ・セビージャとアントニオ・サンチェスはオーガナイザーだ。この3人を回しながらダブルボランチを機能させるというのは、殊(こと)のほか困難だった。
■久保のタスク
そして、久保建英だ。
ルイス・ガルシア前監督が試行錯誤するなか、久保は複数のポジションで起用されてきた。FW、左MF、右MF、役割とタスクが変わり、時にプレーに戸惑いが見られた。
久保だけのことを考えれば、彼をトップ下に組み込めばいいだろう。ムリキを1トップにして、その後ろに久保を配置する。そうすることで、ムリキのポストワークが生きる。ムリキにロングボールを当てる戦術でも、セカンドボールを久保が拾う形にすれば、理にかなっている。
だがマジョルカは久保を中心にチームビルディングを行っていない。留意しておくべきは、1部残留を争うようなチームで、久保を基準にチームを作るのは不可能だということだ。
ここでは久保がチームに合わせていくことが重要になる。そこで久保に求められるのは、フィジカルであり、走力であり、守備力だ。つまり、現在の久保に足りないものばかりである。
■アギーレの戦術
アギーレ監督の就任で、マジョルカに変化が訪れるのは間違いないだろう。
ただ、「継続路線」で考えるなら、システムは【4−4−2】になる。
久保のポジションは右MFだろう。求められるのはドリブルであり、突破だ。
次に、考えられるのは、【4−2−3−1】である。
これは【4−4−2】に少し手を加えた形だ。それほど難しくはない。この場合、久保のポジションは2列目の中央あるいは右になるだろう。
また、攻撃的に行くのであれば、【4−3−3】だ。
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