「マック終了」でも伸び続ける楽天ポイントカード 次の一手は?
マクドナルドが取り扱い終了を発表した「楽天ポイントカード」ですが、導入する企業の数は伸び続けているといいます。
11月15日からは安価な決済端末での取り扱いも開始するなど、全国チェーンのお店だけでなく中小の店舗にも拡大していく構えです。
ポイント利用で「購買金額」も高まる
ポイントカードのメリットとして、消費者にとってはポイントがたまる・使えることで実質的な割引になること、また企業にとっては顧客やリピーターの獲得を期待できることが知られています。
それに加え、買い物時にポイントを「使う」客は、「ためる」客に比べて購買金額や利用回数が高いというデータを楽天は示しています。
楽天はさまざまなサービスでポイントを発行していますが、それがポイントカードの加盟店で使われることで、メリットをもたらしているとしています。
また、すでに全国に広く普及した印象のある楽天ポイントカードですが、2023年に入ってからも3月に「丸亀製麺」、10月に「ケンタッキーフライドチキン」と、導入企業は増え続けているといいます。
楽天ポイントカードを導入する企業数は4年で約2.6倍に増えているとのことですが、その裏でポイントカードの取り扱いをやめる事例はないのでしょうか。
最近では、日本マクドナルドが楽天を含むポイントカードの取り扱い終了を発表。2024年1月14日の終了まで残り2か月となり、店頭では終了を知らせる掲示物を見かけるようになっています。
しかし楽天ペイメントによれば、「解約はそれほど多くはなく、マクドナルドの発表後に解約が増える事態にもなっていない」(執行役員 営業第二本部 本部長の末吉覚氏)とのことです。
さらに楽天ポイントカードの導入を広げる次の一手としては、同社が7月に発表した決済端末「楽天ペイ ターミナル」との連携を打ち出しています。
見た目はスマホのような形状で、カードリーダーやレシート印刷用のプリンターを搭載しています。中身はAndroidベースなので、アプリで機能を追加できる仕組みです。
端末の名称は「楽天ペイ ターミナル」となっていますが、各種クレジットカードやSuicaなどの電子マネーに広く対応しています。そして今回、楽天ポイントカードにも対応したというわけです。
これにより「ポイントカード」と「キャッシュレス」をこの決済端末1台で導入できることになります。システムの導入費用がなかなか捻出できない中小事業者にとって、これは魅力的な提案になりそうです。
また、利用者にとっては楽天ポイントカードを出しつつ、楽天ペイや楽天カード、楽天Edyで支払うことでポイントの「二重取り」ができます。これができるお店が今後、さらに広がることを期待できそうです。
ポイント総発行数は増加傾向
楽天経済圏では、楽天市場における12月からの「SPU」のルール変更が話題になっています。
こうした変更があると「改悪」として大きな話題になる一方で、ポイントの総発行数は増え続けているといいます。
その背景として、利用者数や加盟店の数が伸び続けていることも考えられますが、発行するポイントを一方的に減らす事態にはなっていないことがうかがえます。
そうではなく、ポイント還元率をデータ分析などに基づいて上げ下げすることで、これから盛り上げたいサービスにユーザーを誘導するのが変更の狙いといえるでしょう。