マック「dポイントカード」「楽天ポイントカード」取り扱い終了 理由を聞いてみた
10月2日から、全国のマクドナルドの店頭やドライブスルーにおいてPayPayなどのコード決済が使えるようになることが発表されました。
一方、「dポイントカード」と「楽天ポイントカード」の取り扱いは2024年1月に終了します。長く親しまれてきたポイントをなぜ終了してしまうのか、日本マクドナルドに聞いてみました。
終了の理由は「利便性や分かりやすさ」のため
マクドナルドでは、すでにアプリを利用したモバイルオーダーにおいて、「d払い」「楽天ペイ」「PayPay」「au PAY」のオンライン決済に対応していました。
そして10月2日からは、店頭レジとドライブスルーにおいても、これら4種類のコード決済を利用できるようになっています。
コード決済に対応したこと自体は歓迎したいところですが、同時に発表されたのが「dポイントカード」と「楽天ポイントカード」の取り扱いの終了です。
dポイントは2015年12月にマクドナルドでの取り扱いが始まり、2017年3月に全店舗に拡大。楽天ポイントは2017年6月に導入されており、全国の店舗で広く使われてきたと考えられます。
レジでの支払い時にはポイントカードの利用を確認されるほか、マクドナルドのアプリにもポイントカードのバーコードを表示する機能を搭載するなど、利用を促してきました。
なぜそれを終了してしまうのか、日本マクドナルドは、「これまでポイントカードをご利用いただいたお客様に感謝する」(広報)としつつ、「お客様の利便性や分かりやすさに向けた取り組みとして、一部を整理させていただいた」(同)と説明しています。
コード決済の導入は10月、ポイントカードの終了は2024年1月という時間差については、「お客様に前もってお知らせするため、このタイミングになった」(日本マクドナルド広報)としています。
都内の店舗には、長い行列ができている光景も珍しくありません。ポイントカードを持っているか確認したり、財布から出したりするやりとりがなくなることで、待ち時間が短縮されることは期待できそうです。
一方、dポイントカードと楽天ポイントカードは全国に広く普及しており、ポイントをためて使いたい人の数は増え続けていることから、どのような影響があるかは気になるところです。
まず、ポイントを使う場合には、d払いではdポイント、楽天ペイでは楽天ポイントを支払いに充当できるので、スマホを使える人であればポイントカードの代わりになりそうです。
ただし、ポイントの「二重取り」ができなくなる点には注意が必要です。たとえばd払いで支払うことでたまるdポイントは、dポイントカードとは別の仕組みです。
店頭では、まずdポイントカードのバーコードを読み取ってもらい、次にd払いやdカードで支払いをすることで、dポイントを2回獲得することができます。
マクドナルドの店頭では、この二重取りが2024年1月14日までは可能です。しかしその後はポイントカードで獲得できるポイントがなくなるため、ポイ活勢にとっては痛い変更になりそうです。
また、高齢者などスマホ決済を使っていない人でも、ポイントカードを使いこなしている人は少なくありません。混乱が生じる可能性もありますが、日本マクドナルドは店頭などで丁寧に説明していく方針としています。
NTTドコモからは、「dポイントカードのみをご利用いただいていたお客さまに向けては、今後は『d払い』もご利用いただけるよう、マクドナルド様と連携してご案内をしていきたい」(広報)との回答がありました。
海外では独自のポイントも
ポイントカードを導入している企業にとっては、集客やデータマーケティングに価値があると考えられます。取り扱いを終了することで、機会損失にはならないのでしょうか。
来年1月以降、別のポイントプログラムを導入する予定はあるかという質問に対しては、「現時点で予定はない」(日本マクドナルド広報)との回答でした。
楽天によれば、楽天ペイと楽天ポイントカードは別の仕組みであり、そこは何も変わっていないとのこと。両者を組み合わせて導入することで、西友など成功している事例が多数あるといいます。
今回の取り扱い終了はマクドナルド側の判断としており、「他に楽天ポイントカードの取り扱いを終えるという大きな話は出ていない。企業様の考え方にあわせて提案していく」(楽天ペイメント広報)としています。
海外との比較では、米国のマクドナルドには独自のポイントプログラム(MyMcDonald’s Rewards)があり、アプリを中心としたデジタル戦略のもとで世界各国に展開を進めています。
現時点では「ポイントカードの取り扱い終了」以外の公式な情報はないものの、日本でもマクドナルドのアプリが支払いやポイントの機能を搭載していく可能性はあるのか、2024年に注目したい動きの1つになりそうです。