人間の「得意な感覚」を活用した驚きのコミュニケーション技術① ~視覚優位編~
人とうまくコミュニケーションをとるのは難しい。相手の言葉を理解しようとしても、なかなか意図が掴めないことがある。逆に、こちらの思いを伝えようとしても、うまく伝わらないことも多い。いろいろな理由があるだろうが、その一つに「優位感覚」がある。
今回は、3つの「優位感覚」のうち視覚優位に注目する。視覚優位の人にはどんな「話し方」をしたらいいのか? どんなスタイルで話すとうまく伝わるのかについて解説する。ビジネスパーソンはもちろん、学生や主婦など、人間関係に悩むすべての人に役立つ内容だ。ぜひ最後まで読んでもらいたい。
<目次>
■人間が持つ3つの「得意な感覚」とは?
・Visual(視覚)
・Auditory(聴覚)
・Kinesthetic(体感覚)
■視覚優位の人の見分け方
(1)未来志向
(2)視覚情報に敏感
■視覚優位の人に伝わる「話し方」3つのスタイル
■グラフや図表、イメージ画像を活用する
■顔を見て話し、場所の選定もこだわる
■まとめ
■人間が持つ3つの「得意な感覚」とは?
実のところ人間には3つの「得意な感覚」がある。その感覚によって情報の理解の仕方が異なっているのだ。この「得意な感覚=優位感覚」を知り、活用することで、コミュニケーションの質を大きく向上させることができる。
これはNLP(神経言語プログラミング)で提唱された「VAK」という概念に基づいている。VAKとは以下の3つの感覚のことだ。
・Visual(視覚)
・Auditory(聴覚)
・Kinesthetic(体感覚)
視覚優位(V)の人は、見ることで情報を理解する。図や映像、イメージで物事を捉えるのが得意だ。
話を聞くときも相手の顔をよく見る。早口になりがちで、手をよく動かすことも特徴の一つ。また、「イメージが湧かない」「ピントがズレている」「全体を俯瞰すると……」といった視覚情報を含んだ言葉、フレーズを好んで使う。
聴覚優位(A)の人は、画像や映像というより、音や言葉で物事を捉えるのが得意だ。
聴覚優位の人が話を聞くとき、相手の顔をあまり見ず耳を傾ける傾向が強い。音楽と一緒で「順番」「手順」が大事。だから話があっちへ行ったり、こっちへ行ったりすると、
「さっきから何を言っているのか、よく分からない」
と指摘されるだろう。話に一貫性がないときもストレスを覚える。
「この前言っていたことと、まるで繋がらない」
不服を口にするはずだ。雰囲気のいい映像を見せられても、美味しい食事をとりながら話をされても関係がない。話に一本筋が通っているかどうかを気に掛ける。
体感覚優位(K)の人は、情報を体で受け止め、感じようとする。感覚、感情を強く意識するのだ。そのせいで、どんなに理屈で説得しようとしても、
「なんかしっくりこない」
と反論される。
「そうそう! そういった感じ」
と理解されるには、フィーリングや感性を重要視した話し方をするほうがいい。肌感、居心地の良さ、信頼関係、距離感も意識すべきだろう。
■視覚優位の人の見分け方
それでは、今回は視覚優位にどんな話し方をすべきか? そのスタイルについて解説していこう。まずは視覚優位の人をどのように見分けるかについてだ。主な特徴は以下の2つである。
(1)未来志向
(2)視覚情報に敏感
まず一つ目の特徴は、未来志向であることだ。視覚優位の人は、物事の結果や最終的な姿、イメージに焦点を合わせる傾向がある。そのため、どちらかというとせっかちに思われがちだ。
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