「論理的におかしい仕事の目的」を伝えるダメ上司の特徴とその改善策【6300字】
「やる意味がわからない」
「目的がわからない仕事はしたくない」
現場でコンサルティングしていると、若い人からこういう言葉をよく聞く。上司から目的のわからない仕事を渡されたら、やる気がなくなるだろう。若者でなくても、誰でもそうだ。
昔なら、
「そんなことイチイチ聞くな。黙って手を動かせ」
「何事も経験だ。グダグダ言うな」
と一蹴できた。しかし今の時代、そんなことをしたら、新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』にも書いたように、愛想を尽かされるだけである。そんな雑な物言いは若者に通用しない。
だからこそ、上司はキチンと部下に仕事の目的を伝える必要があるのだ。一度や二度ではなく、何度も伝える必要がある。「一回言えばわかるだろう」という思い込みは禁物だ。
今回は、目的や目標をどのように伝えるのか? 上司の4タイプごとに徹底解説する。とくに「目的」をどう伝えるかを知らないと、自然と組織は「うるさく」なっていくため、強く意識してもらいたい。
「明確な目的さえ伝えればいい」
と考えている上司は、とても危険だ。目的と手段は論理的に繋がってなくてはならない。それに成果から遠すぎる目的だと、その目的は人を動かす力がない。だから論理思考力が低い上司は、正しい目的を部下に伝えられないのだ。
<目次>
■目的がないとコミュニケーション効率が著しく悪くなる
(1)明確化した目的(⇔ぼんやりした目的)
(2)正しい目的(⇔正しくない目的)
(3)成果に近い目的(⇔成果に遠い目的)
■明確な目的とぼんやりとした目的
■果たしてその目的は「正しい」のか?
■その目的は遠すぎないか?
■目的と目標の伝え方 ――4タイプの上司で解説
■部下が「仕事の目的がわからない」と言う2つの原因
■多くの人が勘違いしている!目的と目標の違い
■目的がないとコミュニケーション効率が著しく悪くなる
目的が不明確だったり、目的そのものがおかしかったりすると確実に「うるさい組織」になっていく。
「いったい何のために、こんな仕組みを導入したの?」
「このシステムを活用する意味がわからないので使ってません」
「言葉足らずでした。今回の研修は次世代リーダーの育成が目的でして……」
会議やミーティングで「あーでもない」「こーでもない」と不毛な議論に明け暮れるシーンを見るたびに思う。正しい目的を明確に伝えておけば、こんな意味のないコミュニケーションを減らすことができたはずなのに、と。
「あ、そういうことですか。最初から言ってくれればよかったのに」
「わかってたら、こんなに何度も打合せしなくても済みましたよ」
「静かな組織」には、こんな愚痴は出てこない。
不要なコミュニケーションは文字通り必要がないのだ。コミュニケーション効率を上げるためにも、目的意識を持つことは重要だ。
しかしここで問うてみたい。目的、目的、とは言うが、どれぐらい多くの人が目的について深く考えたことがあるだろう? たかが「目的」だが、いろんな種類の目的がある。私が思いつく「目的の特性」は以下の3つである。
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