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都心マンションの最高立地、「番町」と「南青山」の時代は終わったのか

櫻井幸雄住宅評論家
江戸時代、武家屋敷街だった面影を残す番町エリア。その落ち着きは今も健在だ。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 全国各地の中心部には、不動産業界で「特別な場所」と認識されるアドレスがある。名古屋では覚王山、福岡では浄水通や大濠公園、札幌では円山……東京23区内では、番町と南青山が、特別なアドレスだった。

 番町と南青山とは、千代田区の一番町から六番町、そして港区の南青山を指す。もちろん、都心部には、高級住宅地とみなされる場所はそれ以外にいくつもある。港区赤坂の氷川町や三田綱町、麻布台に渋谷区の南平台、松濤など、いくらでも出てくるのだが、東京都心でマンション開発する場合、最上級と一目置かれてきたのは、番町エリアと南青山エリアだ。

 それは、他の地域では滅多にお目にかかれない「ホーマット」や「パークマンション」が番町と南青山に多く建設された時代があったからだろう。が、不動産業界でも「ホーマット」を知らない世代が増えた今、番町と南青山を崇拝する時代は終わったのかも知れない。

 そんな感慨がわくのは、近年、都心のマンション高額地域のデータを見ると、“首位打者”が変わってきた感が強いからだ。

 今、都心部で、ひときわマンション価格が高い場所は、番町や南青山のような「歴史ある住宅地」ではなくなっている。じつは、これ、日本各地の拠点都市で起きている最新情勢でもある。

勢いがなくなっている南青山の不動産価格

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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